2009年04月13日

今週の米国株相場展望 4/12

今週の米国株相場展望

4月12日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週0.82%上昇。S&P500指数は同1.67%上昇。ナスダック指数は1.89%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同2.65% 上昇した。
S&P500指数は週間ベースでは、2007年10月以来最長となる5週連続の上げとなった。

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詳しい業種別値上がり状況は以下の通り。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、金曜日がグッド・フライデーで休場となったことから4日間の取引だったが、前半は軟調、後半は切り返した。この結果、S&P500指数は週間ベースで、2007年10月以来最長となる5週連続の上げとなった。

相場への強材料

1.米財務省は8日、問題債権購入計画(TARP)に基づく公的資金注入先に生命保険会社を加えると発表した。これを受け、生保大手のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループやリンカーン・ナショナルの株価が上昇した。

2.銀行に好材料が出た。決算発表を前に明るいムードとなった。

★ウェルズ・ファーゴ(WFC)に好材料。

   (内訳)
○1−3月期の総収入は200億ドルが見込まれている(予想は188億4600万ドルだった)
○1−3月(第1四半期)決算では純利益が約30億ドルになるとの見通しを発表した。
○暫定集計では普通株1株当たり利益は約55セント。
○住宅ローンの平均金利が5%を割り込むなか、新規の住宅ローンが増加、借り換えも増えている。
○1−3月期に1000億ドルの住宅ローンを組成した。同銀は2−4月期も好調な住宅ローン組成を見込んでいる。

★検査中の銀行に関して言えば、考えられているより状態は良好である。米政府によるストレス テストの対象となっている米金融機関19社がすべて、審査に合格する見通しだと9日付NYタイムズ紙が報じた。ただし、今後救済が必要になる可能性もあると言う。

★カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は9日、大手米銀に対する政府のストレステスト(健全性審査)の結果、そのほとんどが一段の公的資金注入の必要性はないと判断されるとの見解を示した。

★JPモルガン・チェース(JPM)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーが9日付のリポートで、JPモルガン・チェースに強気コメント。


(要旨)
○JPの1−3月(第1四半期)1株当たり利益予想を24セントから35セントに引き上げる。
○JPの中核事業の収入は、前四半期から14%増の229億ドルに達した可能性がある。また、投資銀行業務も好調だった。
○JPはまた、負債の評価額を20億ドル切り下げる可能性がある。同銀のクレジットスプレッドは拡大している。
○リスク資産を切り離し、資産の評価額を7億ドル切り下げるだろう。

★ロバート・W.ベアードの首席投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は、1−3月期決算への期待はあまりにも低いため、うれしい驚きとなる可能性は十分にある。当社は夏後半に向けて株が上昇するとみているとコメントした。

3.景気への強気発言が好感された。
サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は9日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★景気の急降下に、数ヶ月内に歯止めがかかる。
★信用市場にはなお著しい緊張が残るものの、状況は緩和された。在庫の大幅圧縮で、いずれ生産が拡大するための下地が整いつつある。

4.オバマ米大統領は9日、経営危機に陥っている米自動車メーカーを支援するため、政府が公用車の調達を加速し、6月1日までに国内メーカー生産の低燃費車を約1万7600台購入すると発表した。

5.主要企業に好材料が出た。
★センテックス(CTX)
住宅建設大手パルト・ホームズは8日、テキサス州を拠点とする同業のセンテックスを総額13億ドルの株式交換により買収すると発表した。買収完了後は時価総額で全米第首位の住宅建設会社になるとしている。パルト・ホームズはセンテックスの債務約18億ドルを引き受ける。

★ベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)
バス用品チェーン店が7日引け後に決算発表。予想を上回る内容だった。

★ジュニパー・ネットワークス(JNPR)
ネットワーク機器大手ジュニパー・ネットワークス(JNPR)は7日引け後、1-3月期の売り上げ見通しを下方修正した。ただし、予想以上に営業費用を削減できていることから、1株利益については先に発表した見通しレンジの範囲内に収まるとした。利益水準が予想の範囲内に収まったことが好感された。


今週のマクロ経済指標
4月14日(火)
*3月生産者物価指数(前月比) …コンセンサス予想0.0%(前月は0.1%)

*3月PPI(除食品&エネルギー/前月比)… コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)

*3月生産者物価指数(前年比) …コンセンサス予想-2.0%(前同期比は-1.3%)

*3月PPI(除食品&エネルギー/前年比)… コンセンサス予想4.0%(前同期比は4.0%)

*3月小売売上高…コンセンサス予想0.3%(前月は-0.1%)

*3月小売売上高(除自動車)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.7%)


4月15日(水)
*4月9日MBA住宅ローン申請指数…(前月は4.7%)

*4月ブルームバーググローバル信頼感指数…(前月は5.95)

*3月消費者物価指数(前月比)…コンセンサス予想0.2%(前月は0.4%)

*3月CPI(除食品&エネルギー・前月比)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)

*3月消費者物価指数(前年比)…コンセンサス予想0.0%(前同期比は0.2%)

*3月CPI(除食品&エネルギー・前年比)…コンセンサス予想1.7%(前同期比は1.8%)

*3月CPIコア指数 季調済…(前月は217.670)

*3月消費者物価指数(季節前)…(前月は212.193)

*4月ニューヨーク連銀製造業景気指数…コンセンサス予想-35.0(前月は-38.23)

*2月ネット長期TICフロー… (前月は-430億ドル)

*2月ネットTICフロー合計… (前月は-1,489億ドル)

*3月鉱工業生産…コンセンサス予想-0.9%(前月は-1.4%)

*3月設備稼働率…コンセンサス予想69.7%(前月は70.9%)

*4月NAHB住宅市場指数…コンセンサス予想10(前月は9)


4月16日(木)
*3月住宅着工件数…コンセンサス予想550,000件(前月は583,000件)

*3月建設許可件数…コンセンサス予想550,000件(前月は547,000件)

*4月11日新規失業保険申請件数…コンセンサス予想665,000件(前月は654,000件)

*4月5日失業保険継続受給者数…(前月は5,840,000人)

*4月フィラデルフィア連銀…コンセンサス予想-32.0(前月は-35.0)


4月17日(金)
*4月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想58.5(前月は57.3)

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今週の展望
株式相場は5週続伸し、ダウ指数は8000ドル、ナスダック指数は1600を上抜いてきた。3週間前は、米財務省が、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を遂に発表したことが材料となって相場は上昇。先々週は、米国財務会計基準審議会(FASB)による、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準緩和決定が材料となった。また、経済指標も予想ほど悪化しないものが目立ってきた。先週は、決算発表を控えウェルス・ファーゴ等銀行株に強気業績見通しが支援材料となった。

制度的支援、景気指標悪化に歯止め、業績期待と言う材料が相場を支えている。今週はインテルはじめ主力企業が決算を発表する。押並べて悲観が先行しており、かなり業績予想は下げられている。その意味では、予想を上回るところが結構出るのではないか。

先週も、検査中の銀行に関して言えば、考えられているより状態は良好である。米政府によるストレス テストの対象となっている米金融機関19社がすべて、審査に合格する見通しだと9日付NYタイムズ紙が報じた。

更に、ロバート・W.ベアードの首席投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は、1−3月期決算への期待はあまりにも低いため、嬉しい驚きとなる可能性は十分にある。当社は夏後半に向けて株が上昇するとみているとコメントしている。

先週も、ベッドバス・アンド・ビヨンド、リサーチ・イン・モーション等が素晴らしい決算っだったし、EPSが予想を下回ったアルコアでさえも、翌日の市場では買われている。株価が著しく調整した後でもあり、今後は株価押し上げ要因の方が多くなるとの見通しだ。

従って、決算も懸念を払底した内容になる可能性が十分ある。上昇モメンタムは続いており、相変わらずしっかりの展開になるのではないか。

予想レンジ
ダウ指数…7,800ドル〜8,400ドル
ナスダック指数…1,600〜1,750



米国債券先週の動き
債券は小幅安。30年債の利回りは対前週比0.05%上昇。10年債は同0.01%上昇。また、5年債は対前週比変わらず。2年債は同0.01%低下。

(債券相場の弱材料)
★先週は7日に10年物インフレ連動債(TIPS、60億ドル)、8日に3年債(350億ドル)、9日に10年債(180億ドル)と相次いで入札が行われたが、需給悪化への不安が高まった。
★米国株大幅高から、安全資産たる国債への重要が低下した。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックした為、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年4月9日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としてはやや上方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで2.42%上昇、対円で0.12%上昇した。

(ドル高の背景)
★2008年10月−12月期(第4四半期)のユーロ圏GDPがエコノミスト予想以上に悪化したことが手掛かりとなった。ドルは主要通貨に対して上昇。
★ドイツと英国のリセッション深刻化を示す統計発表を受け、両通貨が売られた。

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原油相場先週の動き
原油価格は小幅安。前週末比で0.51% 下落した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物5月限は前週末の1バレル=52.51ドルに対し、4月9日は52.24ドルで越週した。

(原油価格下落の背景)
8日発表の米エネルギー省の在庫統計では原油在庫の増加が示されるとの観測から週の前半は下落したが、株価が上昇し、米景気回復期待からエネルギー需要が伸びるとの観測から週の後半買いが入った。しかし、週間では戻しきれず。


=以上=
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2009年04月06日

今週の米国株相場展望 4/5

今週の米国株相場展望

4月5日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週3.10%上昇。S&P500指数は同3.26%上昇。ナスダック指数は4.96%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同6.37% 上昇した。
S&P500指数は週間ベースでは、2007年10月以来最長となる4週連続の上げとなった。

(S&P500指数先週1週間の動き)
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詳しい業種別値上がり状況は以下の通り。

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(先週の米国株相場の動き)
主要経済指標が予想ほど悪化していなかったことに加え、米国財務会計基準審議会(FASB)が2日、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準を緩和することを決定したことから続伸となった。


相場への強材料
1.経済指標に予想を上回るものが多く、リセッション悪化懸念が沈静化。
★米供給管理協会(ISM)が1日発表した3月の製造業景況指数は36.3(前月は35.8)と、予想(36.0)を若干上回ったが、50を14カ月連続で下回った。

★全米不動産業者協会(NAR)が1日に発表した2月の中古住宅販売成約指数は前月比2.1%上昇の82.1(前月は7.7%低下の80.4)と、予想(前月比変わらず)を上回った。地域別でみると、成約指数は全米3地域で上昇した。

★2月の建設支出は前月比0.9%減(1月は3.5%減)と、予想(1.9%減)より落ち込みが小さかった。昨年10月以来で最小の減少率となった。

★自動車メーカーが1日発表した3月の米自動車販売によると、ゼネラル・モーターズ(GM)などが前年同月から大幅減少したものの、市場予想ほどは悪化しなかった。販売奨励策が下支えとなった。底が見え始めており、改善の兆候が幾つかあるとのアナリストコメントも聞かれた。GMの3月販売台数は前年同月比45%減(予想は48%減)、フォードは41%減(予想45%減)、クライスラーは39%減少(同46%減)した。

2.米国財務会計基準審議会(FASB)が2日、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準を緩和することを決定したことから、銀行株をはじめとして買い物が入った。今回のFASBによる規制緩和では、住宅ローン 担保証券(MBS)などの資産評価において企業は、かなりの裁量権の行使を認められる。アナリストによると、銀行は評価損を縮小でき、1−3月期(第1四半期)の純利益を2割強改善できる可能性があると言う。

3.ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)は2日、リセッション脱却に向けた取り組みで合意した。金融危機につながった甘い規制を強化し、1兆ドル超の緊急支援策を約束する宣言を採択した。
リセッションに立ち向かう決意の強さを示したものと好感された。

4.3月の中国の製造業購買担当者指数は52.4と、前月の49から上昇した。
50を超えたのは6カ月ぶり。政府の4兆元に上る景気刺激策が影響した。

5.主要企業に好材料が出た。
  ★インテル(INTC)
インテルは30日、予定通り待望のサーバーシステム向け半導体の新製品を発表した。サーバー向け半導体シリーズ「ジーオン」に加わるこの新製品「ジーオン5500」について、既存版と同じ電力消費量で2倍以上の処理能力を示す試験結果を公表した。

  ★グーグル(GOOG)
○グーグルは30日、中国における無料楽曲配信サービスを正式に開始した。
○グーグル傘下の動画投稿サイトであるユーチューブとウォルト・ディズニーは30日、ディズニーのメディア部門ABCやスポーツ専門チャンネルESPNの番組などディズニーが保有するコンテンツの一部を、ユーチューブのサイトで配信する契約を結んだと発表した。

★ギリアド・サイエンシーズ(GILD)
   同社の実験新薬に降圧作用があることが臨床試験で確認されたと言う。

★リサーチ・イン・モーション(RIMM)
多機能携帯端末(スマートフォン)「ブラックベリー」を製造・販売するカナダのRIMMが2日引け後に示した2009年3−5月(第1四半期)の一部項目を除いた1株利益の下限は88セントと、予想(82セント)を上回った。


今週のマクロ経済指標

4月7日(火)

*4月IBD/TIPP景気楽観指数…(前月は45.3)

*2月消費者信用残高…コンセンサス予想-30億ドル(前月は18億ドル)

   *4月5日ABC消費者信頼感指数…(前月は-49)
            
4月8日(水)

   *4月3日MBA住宅ローン申請指数…(前月は3.0%)

   
4月9日(木)

   *2月貿易収支…コンセンサス予想-365億ドル(前月は-360億ドル)

   *3月輸入物価指数(前月比)…コンセンサス予想1.0%
                            (前月は-0.2%)   
   *3月輸入物価指数(前年比)… (前同期比は-12.8%)

   *4月4日新規失業保険申請件数…(前月は669000件)

   *3月28日失業保険継続受給者数…(前月は5728000人)

   *3月ICSCチェーンストア売上高(前年比) …(前同期比は-0.1%)

4月10日(金)

   *3月月次財政収支…コンセンサス予想-1570億ドル
                          (前月は-482億ドル)

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今週の展望
株式相場は4週続伸し、ダウ指数は8000ドル、ナスダック指数は1600を上抜いてきた。前週は、米財務省が、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を遂に発表したことが材料となって相場は上昇。今週は、米国財務会計基準審議会(FASB)による、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準緩和決定が材料となった。また、経済指標も予想ほど悪化しないものが目立ってきた。

ロンドンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)は、リセッション脱却に向けた取り組みで合意した。金融危機につながった甘い規制を強化し、1兆ドル超の緊急支援策を約束する宣言を採択した。当初あまり期待されていなかっただけに、リセッションに立ち向かう決意の強さを示したものとして好感された。

象徴的なのは為替である。世界的な金融危機悪化を背景に、円や米ドルに資金が逃避していたが、金融危機は近く最悪期を脱するとの見方から、逃避先としての円、米ドル需要が後退した。ドルは対ユーロで下落を始めたほか、対円ではむしろ強含みとなり、遂に1ドル=100円を超えて越週した。

今回の相場反転のきっかけとなったのが、金融機関好業績見通しである。その意味で重要になるのは1-3月期の決算である。ただし、先週FASBにより決定された新基準は4月から導入されるが、現在策定中の1−3月期決算にも適用可能となっている。従って、決算の集中する4月20日近辺は、懸念を払底した内容になる可能性がある。

さて、今週は、アルミ大手アルコアが決算を発表する他は、目立った業績発表はない。未だ相場の上昇モメンタムは続いており、しっかりの展開になるのではないか。

予想レンジ
ダウ指数…7,800ドル〜8,400ドル
ナスダック指数…1,550〜1,700



米国債券先週の動き
債券は下落。30年債の利回りは対前週比0.05%上昇。10年債は同0.15%上昇。また、5年債は対前週比0.07%上昇。2年債は同0.05%上昇。

(債券相場の弱材料)
★米国財務会計基準審議会(FASB)が2日、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準を緩和することを決定したことから、銀行株をはじめとして買い物が入った。株式急伸から、安全資産たる国債への需要が低下した。
★20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)がリセッションに立ち向かう決意を表明した。
★米労働省が発表した3月の米非農業部門雇用者数は66万3000人の減少となり、事前の市場予想並みだった。また、米国株高から、安全資産たる国債への需要が低下した。


(1年間の10年国債利回り推移)
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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックした為、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年4月3日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては上方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで1.44%下落、対円で2.46%上昇した。

(対円ドル高の背景)
★麻生首相が、日本は依然として危機的状況にあると発言したことがきっかけとなった。
★世界的な金融危機は近く最悪期を脱するとの見方から、逃避先としての円への需要が後退した。

(対ユーロ、ドル安の背景)
★欧州中央銀行(ECB)は予想より小幅の利下げを実施し、金利以外の新たな政策手段については5月に詳細を発表すると述べた。
★米財務会計基準審議会(FASB)が時価会計ルール緩和案を可決し、銀行の利益が改善される可能性が出たことで、逃避先としてのドルへの需要が後退した。

(直近1年間のドルの対ユーロ<茶線>、対円<黒線>上昇率推移)
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原油相場先週の動き
原油価格は小幅続伸。前週末比で0.25% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物5月限は前週末の1バレル=52.38ドルに対し、4月3日は52.51ドルで越週した。

(原油価格続伸の背景)
★株価の値上がりで経済の先行きに対する楽観的な見方が広がった。
★20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)がリセッションに立ち向かう決意を表明したことが好感された。


=以上=
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2009年03月30日

今週の米国株相場展望 3/29

今週の米国株相場展望

3月29日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週6.84%上昇。S&P500指数は同6.17%上昇。ナスダック指数は6.03%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同7.22% 上昇した。

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(先週の米国株相場の動き)
週初に不良債権買取策の内容が発表になったが、これが好感され、大幅高となり週を通じて強い地合を維持した。


相場への強材料
1.米財務省は23日、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を発表した。これにより景気回復が始まるとの観測が高まった。バンカメ(BAC)、シティ・グループ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、ゴールドマン・サックス(GS)、モルガン・スタンレー(MS)などが軒並み15%から20%の上昇を演じた。

★オバマ米大統領は23日、不良資産買い取り計画が信用市場の凍結状態を緩和することに強い自信があると述べるとともに、住宅市場で緊張が和らいでいる兆候がすでに見られていると発言。
★資産運用会社テンプルトン・アセット・マネジメントの運用担当者、マーク・モビアス氏が、新たな強気相場が始まったとの認識を示した。

2.景気への強め指標が出た。
1)全米不動産業者協会(NAR)が23日に発表した2月の中古住宅販売件数は前月比5.1%増の年率472万戸(前月は449万戸)と、予想(445万戸)を大幅に上回った。

2)2月の新築一戸建て住宅販売は前月比4.7%増の33万7000戸(1月は32万2000戸)と、予想(30万戸)を大幅に上回った。また、住宅在庫は33万戸に減少。販売に対する在庫比率は12.2カ月分(前月は12.9カ月分)と、02年6月以来の低水準。

3)2月の米製造業耐久財受注額は前月比3.4%増(1月は7.3%減)と、予想(2.5%減)に反してプラスとなった。これは過去1年余りで最大の増加率。プラスは7カ月ぶり。変動の大きい輸送用機器を除く受注は2月に3.9%増加し、予想(2%減)に反してこれもプラスとなった。2005年8月以来で最大の伸びを示した。設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注は2月に6.6%増。前月は11.3%の減少だった。

4)20日までの1週間の住宅ローン申請指数は1159.4は前週の876.9から32%上昇した。金利低下に伴い借り換えと購入の両指数が上昇したことを受け、3週連続のプラスとなった。住宅ローン30年物固定金利は平均で4.63%と、前週の4.89%から低下し、1990年の統計開始以来の最低水準を記録した。

5)2008年第4四半期(10−12月)の実質国内総生産確定値は前期比年率6.3%減少(改定値は6.2%減少)と、予想(6.6%減)ほど落ち込まなかったことから、景気の先行き安心感につながった。

6)3月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は57.3(速報値は56.6)と、予想(56.8)を上回った。3月の指数を項目別でみると、今後6カ月間の先行き景況感を示す指数は53.5(速報値53.0)と、前月の50.5を上回った。

3.主要企業に強気材料が出た。
1)ゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズ(GM)は、全米自動車労組(UAW)組合員7500人が早期退職制度に応募したことを明らかにした。早期退職はGMが米政府からの134億ドルの支援を維持する上で必要なコスト削減策の一環。早期退職などにより、GMには現在の組合員のコストの半分で労働者を雇用する余地が出てくる。

2)ベスト・バイ(BBY)
米家電量販店ベスト・バイが26日寄り前に業績発表。2008年12月−09年2月(第4四半期)の売上高は前年同期比9.7%増の147億ドル、特別項目を除く1株当たり利益は1.61ドルとなった。予想は、売上高が149億2200万ドル、同1株当たり利益は1.40ドルだった。減益となったが、アナリスト予想ほど利益は落ち込まなかった。

3)リサーチ・イン・モーション(RIMM)
ゴールドマン・サックスが決算前に同社株を買うべきだと推奨した。株価の割安さと、利益率向上が背景。

4)コナグラ・フーズ(CAG)
本日発表の業績が予想を上回った。

5)マイクロン・テクノロジー(MU)
DRAMスポット価格が一日で14%も上昇した。ゴールドマン・サックスは、供給不足に陥っており、価格上昇はまだ続くとコメント。

6)サンパワー(SPWRA)など太陽光発電関連株
本日、中国財務省が、50キロ・ワッツ以上の発電能力を持つ太陽光発電所に対し、1ワットにつき20元の補助金を支給する提案を行っている。


今週のマクロ経済指標
3月30日(月)
 *3月ダラス連銀製造業活動…(前月は-57.3%)


3月31日(火)
 *1月S&P/ケース・シラー総合-20…(前月は150.66)

 *1月S&P/ケース・シラー総合-20(前年比)… (前同期比は-18.55%)

 *3月シカゴ購買部協会景気指数…コンセンサス予想34.3(前月は34.2)

 *3月消費者信頼感指数…コンセンサス予想28.0(前月は25.0)

 *3月NAPMミルウオーキー…(前月は29.0)

 *3月29日ABC消費者信頼感指数…(前月は-49)


4月1日(水)
 *3月27日MBA住宅ローン申請指数…(前月は32.2%)

 *3月チャレンジャー人員削減数(前年比)…(前同期比は-158.4%)

 *3月ADP雇用統計…コンセンサス予想-648,000(前月は-697,000)

 *3月ISM製造業景況指数…コンセンサス予想35.8(前月は35.8)

 *2月中古住宅販売保留(前月比)… コンセンサス予想-1.6%(前月は-7.7%)

 *3月ISM支払価格…コンセンサス予想32.5(前月は29.0)

 *2月建設支出(前月比)…コンセンサス予想-2.0%(前月は-3.3%)

 *3月自動車販売台数統計…コンセンサス予想9,300万ドル(前月は9,100万ドル)

 *3月国内自動車販売…コンセンサス予想6,600万台(前月は6,400台)


4月2日(木) *3月28日新規失業者保険申請件数…コンセンサス予想-657000件 (前月は-651,000件)

 *3月21日失業保険継続受給者数…(前月は5,560,000人)

 *2月製造業受注指数…コンセンサス予想-1.2%(前月は-1.9%) 


4月3日(金)
 *3月非農業部門雇用者数変化 …コンセンサス予想-657,000人(前月は-651,000人)

 *1月失業率 …コンセンサス予想8.5%(前月は8.1%)

 *3月製造業雇用者数変化…コンセンサス予想-165,000人(前月は-168,000人)

 *3月平均時給(前月比)… コンセンサス予想0.2%(前月は0.2%)

 *3月平均時給(前年比)… (前同期比は3.6%)

 *3月週平均労働時間…コンセンサス予想33.3時間(前月は33.3時間)

 *3月ISM非製造業景況指数(総合)… コンセンサス予想42.0(前月は41.6)

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今週の展望
米財務省は23日、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を遂に発表した。

   (政策の骨子)
★買い取りのための官民投資プログラムは、昨年導入された7000億ドル規模の問題資産購入計画(TARP)から750億−1000億ドルの資金を使用。政府に5000億の「買い取り権限」を付与する。
★連邦預金保険公社(FDIC)による債務保証や、連邦準備制度理事会(FRB)の低利融資を加え、買い取り規模は当初は5000億ドルを目標にし、最終的には1兆ドルをめざす計画。
★不良資産買い取り計画は約8%が民間部門から拠出される見通しで、明らかに政府が大きな役割を担うことになる(ローマー大統領経済諮問委員会(CEA)委員長発言)。
★プログラムを開始するための議会承認は不要である。

   (不良資産買取に参加する対象)
保険会社や年金基金、さらには個人投資家にも参加を呼びかけるが、不良資産を買い取る資産運用会社については、不良資産購入の実績が明らかな企業を最大5社選出する。

   (民間参加を促すための甘味剤)
★買い取り資金の大部分を財務省やFDIC、FRBが融資や債務保証などで実質的に負担する。
★計画への参加企業は議会が定める管理職給与規制の対象から外れる。保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)で問題になった金融機関の高額ボーナスなどの規制はかけない。

   (買取方法)
財務省と民間投資会社が共同で対等出資する「官民投資基金」を複数発足させる。複数の基金を競争入札で買い取りに参加させ、不良債権処理を加速する。5月までに民間の資産運用会社が選出された後、すぐに資産買い取りが始まる見込み(大統領経済諮問委員会(CEA)のグールスビー委員発言)。

   (疑問の残るところ)
1.この計画は民間投資家の参加に依存しているため、機能するかどうかがはっきりするのに時間がかかる可能性がある。
2.米金融機関が抱える不良資産は、総額で約4兆ドルに上るという試算もある。1兆ドルで十分かの疑義が残る。


   (政策に対し評価できる点)
1.政策の方向性は正しく、金融システムの問題解決に向けた積極的な対策であり大きな意義がある。
2.買取方法も妥当性が高い。銀行が漸進的に不良資産をバランスシートから切り離すのを期待すると日本の例のように時間がかかる。また政府が不良資産を直接買い取ると民間に転売する手間がかかったり、買取価格設定に困難が生じる可能性が出る。

金融システムの問題解決に向けた抜本的な対策であり大きな意義がある。この計画により、投資家の信頼感が高まり、リスク許容度が増した。

不良資産の買い取り価格設定などのハードルも残っているが、計画が具体的に動き出せばもう一段リスク回避姿勢が緩和されるだろう。

また、3月27日には、以下のような記事がWSJ紙によって掲載された。

米国の資産運用大手、ブラックロックとパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)、レッグ・メイソンの3社が、米政府主導の不良資産買い上げの対象となる問題資産に投資するクローズドエンド型ファンドを計画していると言う。運用会社3社はいずれも、比較的裕福な投資家に販売する目的で、不良化した銀行融資債権や住宅ローン担保証券を購入するファンドを計画している。

より時間的余裕を持たせたファンド型の不良債権処理方法である。

今回の相場反転のきっかけとなったのが、金融機関好業績見通しである。米国株式市場の本格的な反応については、米金融機関の1-3月期の決算などをみてからになるのではないか。特にゴールドマン・サックスやモルガン・スタンレーは銀行持株会社に改編したことにより、決算月が他の銀行同様12月になった。その意味で、決算の集中する4月20日近辺が重要になろう。

株式相場は3週続伸し、ダウ指数8000ドル、ナスダック指数1600に接近してきた。短期的にはテクニカルに過熱感が出つつある。株価上昇にともなうバリュエーションの妥当性問題から、アナリストによる投資判断の引き下げなども出やすくなろう。ただし、FEDEXのCEOが「国際空輸はボトムアップした」と発言するなど、ミクロで強気が増えるとともに、景気指標にも好転組が増加傾向である。株は売りが出やすくなるが、深押しはないだろう。

予想レンジ
ダウ指数…7,500ドル〜8,000ドル
ナスダック指数…1,500〜1,600



米国債券先週の動き
債券は急騰。30年債の利回りは対前週比0.06%低下。10年債は同0.12%上昇。また、5年債は対前週比0.15%上昇。2年債は同0.04%上昇。

   (債券相場の強材料)
1.米財務省の発表した金融機関の不良資産買い取り計画が景気回復につながるとの観測から株が大幅上昇した。これにより、安全資産たる米国債への需要が低下。
2.5年債入札(発行額340億ドル)の最高落札利回りが予想より高かったことから、過去最大規模の入札での需要の弱さが懸念された。5年債入札の最高落札利回りは1.849%。1.801%が予想されていた。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年3月20日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては上方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで2.05%、対円で2.17%それぞれ上昇した。

   (ドル高の背景)
1.景気強気指標が多く、景気の先行き安心感が出た。
2.株高も支援材料となった。
3.欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した1月のユーロ圏鉱工業新規受注の大幅減少が嫌気された。ECBは国債買い取りの検討を迫られるとの観測が強まった。
4.英政府統計局(ONS)が発表した2008年10−12月(第4四半期)の国内総生産(GDP)確定値が前期比1.6%減と、予想を下回ったことがきっかけとなった。

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原油相場先週の動き
原油価格は続伸。前週末比で2.59% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物5月限は前週末の1バレル=51.06ドルに対し、3月27日は52.38ドルで越週した。

   (原油価格続伸の背景)
1.米国景気指標の強めの数字が多く、先行き景気への安心感が出た。
2.米株相場の大幅上昇を受けて、原油需要回復期待が高まった。


=以上=
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2009年03月23日

今週の米国株相場展望 3/22

今週の米国株相場展望

3月22日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週0.75%上昇。S&P500指数は同1.58%上昇。ナスダック指数は1.80%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同1.79% 上昇した。

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(先週の米国株相場の動き)
前週急伸した後だけに利益確定売りに押された。
相場への強材料
1.2月の住宅着工件数は58万3000戸(前月は47万7000戸)と、前月比で22%急増し、予想(45万戸)を大幅に上回った。増加率は1990年以来で最大だった。特に集合住宅の着工件数が拡大した。これを受け、住宅建設会社株が全面高。

2.FRBは17日、銀行持ち株会社の中核的自己資本(Tier1)に信託優先証券などを算入することに新たな制限を設ける規制の適用を2年間先送りすると発表した。新規制の適用は当初3月末に予定されていたが、2011年に先送りされる。 金融市場の圧迫継続に加え、銀行持ち株会社の自己資本水準の引き上げ努力を考慮した。これも金融機関への支援材料と見なされた。

3.FOMCが消費者の借り入れコスト低下とリセッション脱却を目指し、資産購入の対象として米国債を加えると決定した。長期国債を最大3000億ドル購入することを決定。意表をつくFRBによる国債買い取り発表により、長期金利が大幅に下げた。10年国債の利回りは、住宅ローンや自動車ローン金利の基準となり、極めて重要な役割を演じる。また、借り入れコストの低下が景気回復を促すとの見方につながった。金融緩和と通貨量の拡大を同時に行おうとしておりいよいよインフレ政策に動き始めた。

4.オバマ政権はターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の購入対象に、銀行が保有する問題資産を加えることを検討しているもよう。また、米当局は消費者ローン促進を目的としたFRBのTALFと、財務省が計画している官民合同投資ファンドの統合や、米連邦預金保険公社(FDIC)の役割拡大も検討していると言う。

5.主要企業に強気材料が出た。
@ホーム・デポ(HD)
リフォーム用品小売大手の同社の投資判断が引き上げになった。ジェフリーズが、“保有”から“買い”に。市場シェアを拡大している可能性があると言う。これを受け、ウェルマート等も高い。

Aコールズ・コープ(KSS)
ジェフリーズが、“保有”から“買い”に投資判断を引き上げた。売上高が予想を上回る可能性が高いと言う。

Bシスコ・システムズ(CSCO)
ネットワーク機器シスコシステムズ株がゴールドマン・サックスの“強い買い推奨リスト”に掲載されたことから、ハイテク株全般に安心買いが広がった。同社のブレイド・サーバーにより、より少ない人力で広範なアプリケーションを付加出来ると言う。

Cアップル(AAPL)
アップルが、iPhoneが80カ国でうられ、これまでに1700万個売り上げたと強気データを公表したことから上昇を牽引した。また、iPhoneのソフトウエアが更新されたことも好感された。

DIBM(IBM)
IBMはサーバー大手のサン・マイクロシステムズの買収で交渉を進めている。サーバー市場でのシェア拡大を狙う。WSJ紙は、IBMはサン買収に65億ドル以上を支払う可能性があると報じた。これはサンの前日株価終値(4.97ドル)を基に算出した同社時価総額のほぼ2倍に相当する。サン株は急騰。

Eロッチデール・セキュリティーズの銀行アナリスト、リチャード・ボーブ氏は18日、以下の通り発言。

   (発言要旨)
★ゴールドマン・サックス・グループとモルガン・スタンレーにとって今期は非常に良い四半期になるはずだ。
★プライベート・エクイティ投資や信用デリバティブ、プライムブローカーなど業績が悪化した一部の業務はまだ立て直しが必要だが、トレーディングや証券販売という中核事業は両方とも年度を通じて好調になるだろう。


相場への弱材料
1.18日発表された金融緩和策によりインフレ懸念が出た。金融株が軟調だった。

2.最近の相場続伸で、利益確定売りも出た。

3.主要企業に以下の通り悪材料が出た。
@アメリカン・エキスプレスが下落。同社が2月のカード返済の滞納率上昇を発表したことから、クレジットカード利用者のデフォルト増加懸念が売り材料となり金融株が下落に転じた。

Aサンディスク(SNDK)
フラッシュ・メモリー・カードメーカーに悪材料。バンカメが、アンダー・パフォームでカバレッジを開始。同社は供給能力過剰が懸念されている。

Bスプリント・ネクステル(S)
全米3位の携帯電話サービス会社株が、ワコビア・キャピタル・マーケッツによって“アウトパフォーム”から“マーケット・パフォーム”に引き下げられた。

Cプルデンシャル・フィナンシャル(PRU)
保険大手に悪材料。ムーディーズが同社のシニア債を格下げした。投資損失と株式相場の継続的下落が背景。

D航空株が安い。
国際航空運送協会(IATA)は19日、世界的なリセッションの影響で旅行需要が減少するなか、2009年の世界の航空業界全体の損失が従来予想の25億ドルを上回る可能性があるとの見通しを示した。

Eインテル(INTC)
レイモンド・ジェームスがインテル株の投資判断を“強い買い”から“アウト・パフォーム”に引き下げた。

Fナイト・キャピタル・グループ(NITE)
証券ブローカー株がゴールドマン・サックスによって“中立”に引き下げられた。法定取引料の引き上げによって利益が減少するだろうと言う。

Gゼネラル・エレクトリック(GE)
モルガン・スタンレーがGEの2009年度通期ベース予想EPSを85セントに下方修正。今年GEキャピタルに100億ドルの資金注入する必要があると言う。また、シティグループも利益予想を引き下げた。

Hアメリカン・インターナショナル(AIG)
★米上院はアメリカン・インターナショナル・グループなど公的資金注入を受けた企業の従業員のボーナスに70%の税金を課す法案を来週採決する。企業と従業員が半分ずつ負担する。下院は19日、ボーナスに90%課税する法案を圧倒的多数で可決した。下院は、米金融安定化策に基づき50億ドル超を受け取った企業で報酬が25万ドルを超える従業員のボーナスに課税する案を可決した。

★AIGの高額ボーナスについて、ニューヨーク州のクオモ司法長官は19日、誰がいくら受け取ったのかを記載したリストをAIGから入手したと発表。

Iモルガン・スタンレー(MS)
フォックス・ピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーのアナリスト、デービッド・トローン氏は20日、モルガン・スタンレーの12−2月(第1四半期)決算は赤字になるとの予想を示した。トレーディング収入の改善よりも、住宅ローンや商用不動産ローン、レバレッジド・ローンに絡む評価損の影響の方が大きいとの見方が背景。


今週のマクロ経済指標
3月23日(月)
 *2月中古住宅販売件数…コンセンサス予想445万件(前月は449万件)

 *2月中古住宅販売件数(前月比) …コンセンサス予想-0.9%(前月-5.3%)


3月24日(火)
 *1月住宅価格指数(前月比)…(前月0.1%)

 *3月リッチモンド連銀製造業指数…(前月は-51)

 *3月22日ABC消費者信頼指数…(前月は-47)

        
3月25日(水)
 *3月20日MBA住宅ローン申請指数…(前月は-21.2%)

 *2月耐久財受注…コンセンサス予想-2.0%(前月は-5.2%)

 *2月耐久財(除輸送用機器)…コンセンサス予想-2.0%(前月-2.5%) 

 *2月新築住宅販売件数…コンセンサス予想300,000(前月は309,000)

 *2月新築住宅販売件数(前月比)…コンセンサス予想-2.9%(前月は-10.2%)

   
3月26日(木)
 *GDP(前期比/年率) …コンセンサス予想-6.6%(前同期比は-6.2%)

 *コアPCE(前期比) …コンセンサス予想0.8%(前同期比は0.8%) 

 *3月21日新規失業者保険申請件数…(前月は646000件)

 *3月14日失業保険継続受給者数…(前月は5473000人)


3月28日(金)
 *2月個人所得…コンセンサス予想-0.1%(前月は0.4%)

 *2月個人支出…コンセンサス予想0.2%(前月は0.6%)

 *2月PCEデフレータ(前年比) …(前同期比は0.7%) 

 *2月PCEコア・デフレータ(前月比) …コンセンサス予想0.1%(前月は0.3%)

 *2月PCEコア・デフレータ(前年比) …コンセンサス予想0.1%(前同期比は1.6%) 

 *2月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想 56.3(前月は 56.6)

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今週の展望
18日発表されたFOMC声明の意義は大きい。

   (FOMCの声明のポイント)
★長期国債を今後6カ月間にわたり最大3000億ドル購入する。
★住宅ローン担保証券(MBS)の購入枠を7500億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大1兆2500億ドルとする。
★政府機関債の購入枠を1000億ドル引き上げ、年内の購入規模を最大2000億ドルとする。
★消費者、中小企業向け債権の証券化市場の支援措置(TALF)で担保条件を緩和し金融資産も担保として認める見通し。

FF金利の誘導目標を00.25%の範囲に据え置くとともに、当面は異例の超低金利が妥当となる公算が大きいとコメントしている。

長期国債の買い取りが発表されたことから、本格的な量的緩和政策が始まった。インフレ期待から、原油、金をはじめとした商品相場が上伸し始めた。

ただし、景気回復が始まるには、金融市場の落ち着き、安定化が欠かせない。その意味で、これからの最大の問題は、銀行のバランスシートからどのように不良債権を取り除くかという点だ。バーナンキFRB議長も、金融セクターの安定化が景気回復の前提との認識を繰り返し示している。

こんな中、オバマ政権はターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の購入対象に、銀行が保有する問題資産を加えることを検討しているもよう。また、米当局は消費者ローン促進を目的としたFRBのTALFと、財務省が計画している官民合同投資ファンドの統合や、米連邦預金保険公社(FDIC)の役割拡大も検討していると言う。

この具体的構想が出てくるまでは、急騰後の利益確定売りや、株価バリュエーションの観点からのアナリストによる投資判断引き下げが続く可能性がある。

その意味で、今週は上値の重い展開となりそう。


予想レンジ
ダウ指数…7,000ドル〜7,400ドル
ナスダック指数…1,400〜1,500



米国債券先週の動き
債券は急騰。30年債の利回りは対前週比0.02%低下。10年債は同0.256%低下。また、5年債は対前週比0.232%低下。2年債は同0.097%低下。とりわけ10年債の利回り低下が目立った。

   (債券相場の強材料)
FOMCが消費者の借り入れコスト低下とリセッション脱却を目指し、資産購入の対象として米国債を加えると決定した。長期国債を最大3000億ドル購入することを決定。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年3月20日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては下方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで5.06%、対円で2.25%それぞれ下落した。

   (ドル安の背景)
@18日FOMCが声明で、長期国債を最大3000億ドル購入すると発表したことで、FRBがドルを低めに誘導しているとの観測が広がった。
AFOMCが発表した米国債買い取りで利回りが押し下げられ、投資資金が国外に流出するとの見方が強まった。
Bドルは18日、対ユーロで1999年のユーロ導入以来で最大の値下がりを記録。ゴールドマン・サックス・グループは同日、ドルが1ユーロ=1.40ドルに下げるとして、従来予想を修正した。

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原油相場先週の動き
原油価格は続伸。前週末比で10.4% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物4月限は前週末の1バレル=46.25ドルに対し、3月20日は51.06ドルで越週した。

   (原油価格続伸の背景)
@2月の米住宅着工件数の急増を背景に、景気に対する楽観的な見方が広がり、買いが膨らんだ。
AFRBが米国債購入のほか、住宅ローン担保証券(MBS)などの購入拡大を決定。これにより、世界的なリセッション終わるとの観測が高まった。
Bドルが対ユーロで2カ月ぶり安値を付け、代替投資として原油など商品の投資妙味が高まった。


=以上=
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2009年03月16日

今週の米国株相場展望 3/15

今週の米国株相場展望

3月15日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週9.01%上昇。S&P500指数は同10.71%上昇。ナスダック指数は10.64%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同11.98% 上昇した。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、急反発。

急反発の背景
1.金融株に好材料が出、金融危機は最悪期を脱したとの観測が出た。
@シティグループのビクラム・パンディットCEOが、以下の通り発言。これを受け、同行最悪期脱出との見方が出た。

   (発言要旨)
★09年に入ってからの事業の力強さを非常に心強く思っている。今年最初の2カ月は黒字で、今四半期の業績は07年第3四半期以来の好調だ。1、2月は公表済みの評価損を含めないベースで190億ドルの収入があった。
★現在の株価と、当行およびその財務力に対する間違った見方が広く受け入れられていることに不満だ。

Aロッチデール・セキュリティーズのアナリスト、リチャード・ボーブ氏は以下の通りコメントした。

   (コメント要旨)
★多くの金融機関にとって今四半期は良い四半期になるだろう。環境は劇的に変わった。競合他社の減少や価格上昇などが背景だ。
★シティの今四半期は1株当たり32セントの赤字と予想されているが、黒字の可能性もある。

Bガイトナー財務長官は10日、PBSテレビの番組“チャーリー・ローズ・ショー”で以下の通り発言。これを受け、シティ・グループ(C)、JPモルガン・チェース(JPM)、バンカメ(BAC)などが買われた。

   (発言要旨)
★米銀に資本注入を行って不良資産の処分を促す一方、民間投資家にも公的融資を提供し、不良資産の購入を後押しする計画を進めている。住宅ローン担保証券(MBS)の取引を再び活性化する狙いがある。

CJPモルガン・チェース(JPM)
JPモルガン・チェースのダイモンCEOは11日、同行は2009年12月に利益を確保したと述べた。

Dマーシャル・イルズリー(MI)、ジオンズ・バンコーポレーション
モルガン・キーガンが地銀に強気コメント。割安に加え、先行き大幅な株価上昇が見込めると言う。

Eモルガン・スタンレー(MS)
ゴールドマン・サックスは11日、モルガン・スタンレーの株式投資判断を従来の「ニュートラル(中立)」から「バイ(買い)」に引き上げるとともに、「コンビクションバイ(強い買い推奨)」銘柄リストに加えた。

2.アップティック・ルール(直近の約定価格より安い値段での空売りを禁じる空売り規制)に関して以下のような材料が出た。
@米下院のフランク金融委員長が10日、アップティック・ルールが近く導入されるとの見通しを示した。同ルールが導入されれば株価の下支え要因になるとして、大半の銘柄で買いが先行した。

ASECも以下の通りコメントした。
★4月の公の会議でアップティック・ルール復活を検討する可能性がある。
★空売りに関連した他の措置も検討する用意がある。

3.主要企業に強材料が出た。
@アップル(AAPL)
アップルは11日、携帯音楽プレーヤー「iPodシャッフル」の新モデルを発表。同日出荷を開始した。

Aヒューレット・パッカード(HPQ)
UBSが投資判断を“中売”から“買い”に引き上げた。長期投資の観点からは利益を享受できるとしている。

Bモトローラ(MOT)
オッペンハイマーが同社株の投資判断を“アウト・パフォーム”に引き上げた。同社のコスト削減策、及び今年下半期からのスマートフォン発売を背景にしている。

Cゼネラル・モーターズ(GM)
ゼネラル・モーターズは12日、オバマ大統領の自動車業界作業部会に対し、会社存続のために今月末までに必要だとしていた20億ドルの追加支援は不要になったとの見解を示した。コスト削減策の強化が奏功したと言う。

Dゼネラル・エレクトリック(GE)
ゼネラル・エレクトリックは12日、スタンダード・アンド・プアーズによる格下げは自社の経営、もしくは資金調達に著しく影響しないとの見方を示した。S&PはGEの長期格付けを最上級の「AAA」から「AA+」に引き下げた。格付け見通しは「安定的」。見通しが安定的だったことも好感された。

Eバンク・オブ・アメリカ(BAC)
バンカメのケネス・ルイスCEOは12日、今年1月と2月の業績は黒字だったと述べた。また、2009年通期業績は黒字を予想しているとコメントした。

Fファイザー(PFE)
同社のガン治療薬“Sutent”がすい臓腫瘍患者に著しい効果を発現したと言う。

GCVセラピューティクス(CVTX)
ギリアド・サイエンシーズ(GILD)が心臓疾患治療薬で著名な同社を買収すると言う。買収総額は14億ドルで、1株当り20ドルが買収価格。アステラス製薬も敵対的買収を目指し、CVセラピューティクスの取締役総退陣を求めていたが、買収総額11億ドル(1株当り16ドル)は低過ぎると見られていた。

Hセルジーン(CELG)
トマス・ワイゼルが強気コメント。セルジーンの売れ筋で、白血病治療薬“レヴリミド”の高い成長性を指摘。

Iサンディスク(SNDK)
フラッシュ・メモリーカードメーカーである同社株が急伸。EEタイムズ紙が、サムスン電子か、東芝から新たな買収提案がなされるとの観測記事を掲載した。

Jラスベガス・サンズ(LVS)
サンフォード・バーンスティンが強気コメント。同社は、エクイティ・ファイナンスや、借り換え交渉などの必要なしに、豊富な資産売却によって債務返済が可能であり、生き残って行けるだろうと言う。

Kヒューマナ(HUM)
マネージド・ヘルスケアー会社である同社に買収観測が出ている。

Lファイザー(PFE)
医薬品最大手のファイザーは、同業の米ワイス買収資金に充てるため、最大225億ドルのつなぎ融資契約(期間364日)を締結したと12日引け後発表した。

Mアメリカン・アパレル(APP)
小売大手株が急伸。PEのライオン・キャピタルと8,000万ドルの融資契約を締結。


今週のマクロ経済指標
3月16日(月)
 *3月ニューヨーク連銀製造業景気指数…コンセンサス予想-32.00(前月は-34.65)

 *1月ネット長期TICフロー…(前月は348億ドル)

 *1月ネットTICフロー合計…(前月は740億ドル)

 *2月鉱工業生産…コンセンサス予想-1.2%(前月は-1.8%)

 *2月設備稼働率…コンセンサス予想71.1%(前月は72.0%)

 *3月NAHB住宅市場指数…コンセンサス予想9(前月は9)


3月17日(火)
 *2月生産者物価指数(前月比) …コンセンサス予想0.4%(前月は0.8%)

 *2月PPI(除食品&エネルギー/前月比)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.4%)

 *2月生産者物価指数(前年比) …コンセンサス予想-1.3%(前同期比は-1.0%) 

 *2月PPI(除食品&エネルギー/前年比)…コンセンサス予想3.8%(前同期比は4.2%) 

 *2月住宅着工件数…コンセンサス予想450,000件(前月は466,000件)

 *2月建設許可件数…コンセンサス予想510,000件(前月は521,000件)

 *3月16日ABC消費者信頼感指数…(前月は-48)


3月18日(水)
 *3月13日MBA住宅ローン申請指数…(前月は11.3%)

 *2月消費者物価指数(前月比)…コンセンサス予想0.3%(前月は0.3%)

 *2月CPI(除食品&エネルギー/前月比)… コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)

 *2月消費者物価指数(前年比)…コンセンサス予想0.0%(前同期比は0.0%)   

 *2月CPI(除食品&エネルギー/前年比)… コンセンサス予想1.7%(前同期比は1.7%)     

 *2月CPIコア指数 季調済…(前月は217.265)

 *2月消費者物価指数(季調前)…(前月は211.143)

 *経常収支…コンセンサス予想-1,367億ドル

 *3月18日FOMC金利誘導目標… (前月は0.25%)

                    
3月19日(木)
 *3月14日新規失業保険申請件数…

 *3月7日失業保険継続受給者数…

 *2月景気先行指標総合指数…コンセンサス予想-0.6%(前月は0.4%)

 *3月フィラデルフィア連銀…コンセンサス予想-40.0(前月は-41.3)

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今週の展望
銀行の業績に対し強材料が続出した。また、ゼネラル・モーターズは12日、オバマ大統領の自動車業界作業部会に対し、会社存続のために今月末までに必要だとしていた20億ドルの追加支援は不要になったとの見解を示した。コスト削減策の強化が奏功したと言う。

相場は先週月曜日の下げで、売られ過ぎ感が高まっていた。200日移動平均線からの乖離率、RSIやストキャスティックなどテクニカル指標が軒並み自律反発近しのサインを示していた。ここに上記の強材料が続出したのだ。

また一方で、空売りに関する規制復活の動きも出始めた。米下院のフランク金融委員長が10日、アップティック・ルールが近く導入されるとの見通しを示した。同ルールが導入されれば株価の下支え要因になるとして、大半の銘柄で買いが先行した。またSECも、4月の公の会議でアップティック・ルール復活を検討する可能性がある、空売りに関連した他の措置も検討する用意があるとのコメントを行った。

ダウ指数は先週金曜日、ITバブル崩壊後の最安値(7,197ドル)を上回って引けた。今回の反発までほぼ1ヶ月間棒下げに下げただけに、今回の反発ではもう少し上値追いがあろう。もともと下げを主導してきたのが銀行株であり、国有化、株主価値希薄化懸念→政府系ファンドはじめ大手投資家の売り→株価下落により更なる損失・評価損拡大懸念→国有化に接近→空売りも交えた更なる売り尽くしとの悪循環が途切れ始めたからだ。

ここで官民合同ファンド構想の具体策が提示されれば、更に強力な株への支援材料になるだろう。いずれにしても、今週も底固い相場展開が予想される。


予想レンジ
ダウ指数…7,000ドル〜7,600ドル
ナスダック指数…1,350〜1,600



米国債券先週の動き
債券は反落。30年債の利回りは対前週比0.14%上昇。10年債は同0.02%上昇。また、5年債は対前週比0.01%上昇。2年債は同0.03%上昇。とりわけ30年債の利回り上昇が目立った。

  (債券相場の弱材料)
@株式相場が急反発。
A中国の温家宝首相が米国債保有に関する懸念を表明したことで、中国が外貨準備分散化の一環としてドル建て資産を圧縮し、米国債投資を後退させるとの憶測が広がり長期債中心に売りが先行。一方、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米国債の購入が具体化するとの観測などから短期債が底堅く推移し、利回り曲線がスティープ化した。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年3月13日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては若干上方パラレル・シフトするとともに、スティープニング化が進んだ。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで2.10%下落、対円で0.36%上昇した。

  (対円でのドル高背景)
@1月の日本の経常収支が13年ぶりに赤字転落した。
A金融危機が最悪期を脱しつつあるとの観測から、逃避先としての円需要が後退した。シティ・グループやJPモルガン・チェース、バンカメなどが利益をあげていると発表したことを受け、悲観的見方が緩和。

  (対ユーロでのドル安背景)
@スイス国立銀行(SNB)がスイス・フラン上昇を抑制するために外貨買い介入を開始したと表明した。1992年以来で初めてSNBが単独で介入。対ユーロでスイス・フランが急落した。

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原油相場先週の動き
原油価格は続伸。前週末比で1.60% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物4月限は前週末の1バレル=45.52ドルに対し、3月13日は46.25ドルで越週した。

  (原油価格続伸の背景)
@OPECのバスコンセロス議長(アンゴラ石油相)は、必要ならば3月15日に開かれる総会で減産を決定する可能性があるとの見通しを示した。
A世界経済の先行きに対する楽観的な見方が広がった。


=以上=
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2009年03月09日

今週の米国株相場展望 3/8

今週の米国株相場展望

3月8日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週6.17%下落。S&P500指数は同7.03%下落。ナスダック指数は6.10%下がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同9.76% 下落した。
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(先週の米国株相場の動き)
先週も、全般続落基調だった。


相場下落の背景
1.史上最悪決算を発表したAIGへの4回目の支援策で、市場の懸念が高まった。
米政府がAIG支援。これで4回目。追加増資はAIGが財務省に優先株を段階的に発行し、最大300億ドルを注入する。昨年9月に始まった米政府によるAIG救済は同年中に1500億ドル規模に膨らんだ。同社は子会社売却が進展せず、追加支援を求めるに至った。米当局は声明で、金融市場が改善しない場合、更なる支援が必要になるとコメント。

またAIGが同時に発表した昨年10―12月期決算は、最終損益が616億6000万ドル(約6兆円)の赤字。同7―9月期の244億ドルの赤字から大きく膨らんだ。同社の赤字は5四半期連続。AIGの2008年10−12月(第4四半期)決算は米企業として過去最悪の赤字だった。通期の赤字は993億ドルとなった。07年は62億ドルの黒字。

2.大手銀行株が下げ止まらず。
@先週、米財務省が政府保有のシティ優先株の最大250億ドル(約2兆4380億円)相当を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。同じように、政府による普通株転換観測が出ているバンカメ(BAC)や、ウェルス・ファーゴ(WFC)等も下げ止まらず。

AJPモルガン、ウェルス・ファーゴ、バンカメの3行が、ムーディーズによって信用格付けを引き下げられる可能性に直面している。既に、JPモルガンは見通しを“安定的”から“ネガティブ”に引き下げられている。

3.英銀大手HSBCホールディングスは2日、125億ポンド(約1兆7300億円)の増資と6100人の人員削減を実施するとともに、米国の消費者金融部門を閉鎖する計画を明らかにした。優良行と見られていたHSBCの突如の増資発表から、欧州金融界への不安が高まり、ヨーロッパ株中心に、アジア株も安かった。

4.著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、米経済は2009年を通じて大混乱に見舞われるだろうと発言した。

5.減配発表企業が複数あった。
@インターナショナル・ペーパー(IP)
製紙大手インターナショナル・ペーパーは2日、四半期配当を2.5セントに減額すると発表。従来は25セントだった。減配により、四半期当たり1億ドルの現金を確保できるという。

AKKRファイナンシャル・ホールディングス
投資会社KKRファイナンシャル・ホールディングスは2日、2008年10−12月(第4四半期)決算を発表し、当期の配当、09年も現金による配当支払いの計画がないことを明らかにした。

BPNCファイナンシャル(PNC)
地銀のPNCファイナンシャル・サービシズ・グループは2日、四半期配当を1株当たり66セントから10セントに減額すると発表した。

6.株式指数が、テクニカルに売りの出やすいレベルだった。
ダウ指数、S&P500指数が昨年11月の安値を切り下げた。ダウ指数の例で行くと、大きな支持線は7,200ドル(これは2002年10月11日のザラ場の安値7,197.49)だが、これさえも切り下げており、いよいよ6,000ドルまで一気に下落する可能性が出ていた。

7.景気指標が引き続き悪化していた。
@全米不動産業者協会(NAR)が3日に発表した1月の中古住宅販売成約指数は前月比7.7%低下(前月は4.8%の上昇)の80.4と、予想(3.5%低下)より落ち込みが大きかった。尚、この数値は、2001年1月のデータ集計開始以来で最低だった。

A自動車メーカー各社が3日発表した2月の米自動車販売によると、GMが前年同月比53%減、フォード・モーターが前年同月比48%減少、クライスラーは同44%減少した。

B2月雇用統計が悪化した。

★非農業部門雇用者数…前月比65万1000人減少(1月は65万5000人減)と予想(65万人)を若干上回る減少だった。これで3カ月連続で60万人以上の雇用減。
★失業率…8.1%(前月は7.6%)と、予想(7.9%)より悪化し、1983年12月以来の高水準に上昇した。
★週平均労働時間…33.3時間で前月と変わらず。製造業部門の週平均労働時間は39.6時間と、前月の39.8時間から減少。
★超過勤務…2.6時間(前月2.8時間)に減少。

8.ゼネラル・モーターズ(GM)株が急落。
@GMは米当局への届け出書で、一部債務合意に盛り込まれた取り決めの放棄に関する現在継続中の交渉について、その結果を正確に反映するためにさらなる時間を要するとの見解を示した。

A5日、米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書で事業継続性に疑いがあると指摘し、米政府による追加支援が得られなければ経営破綻(はたん)する恐れを示した。政府に最大166億ドルの追加支援を要請中だが、経営破綻の選択肢が現実味を増している状況が鮮明となった。同社は、報告書で経営再建計画が実現しない場合、事業継続ができず、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の申請を通じて救済を求めざるを得ないと強調した。

Bゼネラル・モーターズの経営陣は、連邦破産法の適用を申請して政府支援を受けながら迅速な経営再建を行う選択肢について、従来よりも容認する方向に傾いているようだと、WSJ紙が報じた。

9.中国の温首相は5日、09年の8%の経済成長目標は実現可能な範囲だと述べ、景気刺激策の増額は不要との政府の立場を示唆した。これを受け、資源、素材株が下げた。


今週のマクロ経済指標
3月10日(火)
 *1月卸売在庫…コンセンサス予想-1.0%(前月は-1.4%)

 *3月IBD/TIPP景気楽観指数…(前月は44.6)

 *3月8日ABC消費者信頼感指数…(前月は-49)


3月11日(水)
 *3月6日MBA住宅ローン申請指数…(前月は-12.6%)

 *3月ブルームバーググローバル信頼感指数…(前月は8.49)

 *2月月次財政収支…コンセンサス予想-2,028億万ドル(前月は-1,756億万ドル)


3月12日(木)
 *2月小売売上高…コンセンサス予想-0.5%(前月は1.0%)

 *2月小売売上高(除自動車)…コンセンサス予想-0.3%(前月は0.9%)

 *3月7日新規失業保険申請件数…コンセンサス予想640,000件(前月は639,000件)

 *2月28日失業保険継続受給者数…(前月は5,106,1000人)

 *1月企業在庫…コンセンサス予想1.1%(前月は-1.3%)

  
3月13日(金)
 *1月貿易収支…コンセンサス予想-382億ドル(前月は399億ドル)

 *2月輸入物価指数(前月比)…コンセンサス予想-0.8%(前月は-1.1%)

 *2月輸入物価指数(前年比)…(前同期比は-12.5%) 

 *3月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想56.3(前月は56.3%)

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今週の展望
銀行株が下げを主導した。米財務省が政府保有のシティ優先株を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。同じように、政府による普通株転換観測が出ているバンカメ(BAC)や、ウェルス・ファーゴ(WFC)等も下げ止まらない。

また、JPモルガン、ウェルス・ファーゴ、バンカメの3行が、ムーディーズによって信用格付けを引き下げられる可能性に直面している。既に、JPモルガンは見通しを“安定的”から“ネガティブ”に引き下げられている。

もともと、今回の金融安定化策では、政府が不良資産の保証に重点を置いた形となったため、国有化→株主価値希薄化との構図から、政府系ファンド初め大手投資家が逃避姿勢を示したことが発端となった。

ガイトナー財務長官によって発表された金融安定化策は、以下の3つの柱からなる。

(3つの柱)
@不良資産買い取り
米政府と民間投資家の資金を活用し、当初5000億ドル(約46兆円)の「新金融安定化基金」を作り、最終的に1兆ドルに拡大する。これを活用して不良資産を金融機関から買い取る。いわゆる「バッドバンク構想」に近い制度となる。

ATALFの対象拡大
米連邦準備理事会(FRB)のターム物資産担保証券ローンファシリティー(TALF)の対象を拡大する。自動車ローンや学生向けローンなどを担保にした証券化商品と引き換えに、最大1兆ドルの金融機関への貸し出しを可能にする。また、新たに商業用不動産ローンを担保にした証券化商品も対象に加えるという。金融機関による資金調達を容易にすることで、不良資産の買い取りに向けた民間の資金確保にもつなげたい考えだ。

B資本注入
公的資本注入による金融機関の資本増強も継続する。金融安定化法に基づく残りの3500億ドルの範囲内で対処する。追加の資本注入を必要とする金融機関には厳格に資産査定する制度を新たに導入。公的資本の使い道や返済期限なども明確にする方針。経営陣の報酬を制限する条項も盛り込んだ。

この官民ファンドに関する具体的条件が未だ提示されていないことに市場は痺れをきらしている。ここで出血を止めない限り、株価下落→政府保証増大→国有化との構図から脱却できない。

相場好転のためには、この面が早急に具体化する必要があろう。1990年代の日本をかんがみて、大規模な財政出動の実施よりも先に、金融システムの回復を確実にする必要がある。特に銀行のバランスシートの資産側が安定しない限り、銀行は立ち直れない。その意味で、官民共同不良債権買取ファンド構想の具体化が待たれるところ。

予想レンジ
ダウ指数…6,000ドル〜7,000ドル
ナスダック指数…1,200〜1,400



米国債券先週の動き
債券は反発。30年債の利回りは対前週比0.18%低下。10年債は同0.16%低下。また、5年債は対前週比0.14%低下。2年債は同0.05%低下。とりわけ中長期債の利回り低下が目立った。

   (債券相場の強材料)
@世界同時株安から質への逃避的買いが債券に入った。
A米当局がアメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に最大300億ドルの公的資金を追加注入する計画を発表したことも支援材料となった。
B米資産家ウォーレン・バフェット氏は米景気を「ひどい状況」と形容。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年3月6日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては若干下方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで0.26%上昇、対円で0.63%上昇した。

   (ドル高の背景)
@英銀大手HSBCホールディングスは2日、125億ポンド(約1兆7300億円)の増資と6100人の人員削減を実施するとともに、米国の消費者金融部門を閉鎖する計画を明らかにした。優良行と見られていたHSBCの突如の増資発表から、欧州金融界への不安が高まった。
A欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が5日の定例政策委員会で政策金利を過去最低の1.5%に引き下げた後、さらなる利下げの可能性を示唆したことが背景。
Bポンドも対ドルで下落。イングランド銀行(英中央銀行)が景気刺激策として資産買い取りを実施すると発表したことがきっかけ。

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原油相場先週の動き
原油価格は続伸。前週末比で0.66% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物4月限は前週末の1バレル=45.22ドルに対し、3月6日は45.52ドルで越週した。

   (原油価格続伸の背景)
@OPECが今月の総会で原油相場下支えの目的で追加措置を講じるのではないかとの思惑から買いが入った。イラン石油相はOPECが15日の総会で、原油相場を押し上げるために解決策を見いだすとの見解を示した。
A米エネルギー省の週間在庫統計で原油在庫が予想外に減少した。


=以上=
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2009年03月02日

今週の米国株相場展望 3/1

今週の米国株相場展望

3月1日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週4.11%下落。S&P500指数は同4.54%下落。ナスダック指数は4.40%下がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同5.34% 下落した。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、全般続落基調だった。

相場下落の背景
1.金融安定化についての具体策が未だ発表されていない。

2.ダウ指数がITバブル崩壊後の最安値7,197(2002年10月9日のザラ場の安値)を下回った。テクニカルな支持線が6,000ドルまでないことから、投機筋から売りを招いた。

3.主要経済指標が軒並み悪化。
@1月の中古住宅販売件数は年率449万戸(前月は474万戸)と、予想(479万戸)を大幅に下回り、1997年以来の低水準を記録。

A1月の米新築一戸建て住宅販売は前月比10%減の30万9000戸(12月は34万4000戸)と、予想(32万4000戸)を下回った。これは、1963年の統計開始以来の最低水準。

B1月の米製造業耐久財受注額は前月比5.2%減少(前月は4.6%減少)と、予想(2.5%減)より大幅に悪化した。前月比マイナスは同統計開始以来で最長の6ヶ月連続。

C2008年第4四半期(10−12月)の実質国内総生産改定値は前期比年率6.2%減少(速報値は3.8%減少)と、予想(5.4%減少)より大幅に悪化した。第3四半期は0.5%の減少。2四半期連続のマイナス成長は91年以来初めて。

4.個別に悪材料が広範に出た。
@鉄鋼株に悪材料。
アルセロール・ミタル(MT)
★UBSが同社株の投資判断を“買い”から“中立”に引き下げた。世界の鉄鋼生産は急速に増加し過ぎたと言う。これを受け、ヌーコアなど他の鉄鋼株も安い。
★EU規制当局から、鉄筋コンクリート用の鉄鋼に関して、価格談合があったとして、同社の子会社が罰金支払いに直面していると言う。

A医療保険株に悪材料。
ヒューマナ(HUM)
★医療保険全米2位のヒューマナがネガティブ・コメント。2010年のメディケア・アドバンテージ・プログラム用暫定料金は、もし提案に変更がなければ、保険会社の保険料にも、加入者ベネフィットにも明らかにネガティブに作用するとコメントした。その他健康保険会社株も急落。UNH、AET、CVH、WLP、HSなどが急落した。

★オバマ大統領の予算教書に、医療制度の拡充と富裕層への増税が盛り込まれたことから、医療保険会社株が急落。HUM、UNH、WLPなどが売られた。また、スチューデントローンなど補助金を廃止することも提唱したことから、サリー・メイ(SLM)他、大学運営会社アポログループ(APOL)、CECO、ESI、DV、COCOなども急落した。

B運用会社に悪材料。
ジャナス・キャピタル(JNS)
投資顧問会社の信用格付けがS&Pによって引き下げられた。BB+へと、ジャンク債レベルまで下げられた。

Cハイテク株に悪材料。
モルガンスタンレーが、顧客向けに、ハイテク株と素材株をアンダー・ウェイトするように推奨した。世界景気は引き続き悪化していると言う。直近の上昇レベルでは売りを推奨。単なるバリュエーションが適正だけの理由では、株は上がらないとしている。収益モメンタムが依然ネガティブだと言う。

D大手保険株に悪材料。
リンカーン・ナショナルが、1株当り配当を21セントから1セントに減配。オールステーツも同41セントから20セントに減配。

E銀行株に悪材料。
シティ株が急落した。米財務省が政府保有のシティ優先株の最大250億ドル(約2兆4380億円)相当を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。バンカメも急落。

5.ヨーロッパ株が急落した。
   (背景)
@先のラトビアに次いで、ウクライナの信用格付けがS&Pによって2ノッチ引き下げられた。

A英銀ロイズ・バンキング・グループの株価が27日のロンドン市場で急落した。不良資産による損失から銀行を保護する政府の保証プログラムについて具体的な合意を発表しなかったことが嫌気された。

B運用会社のヘイマンン・アドバイザーズ(テキサス州ダラス)は、欧州経済通貨同盟(EMU)が解体のリスクにさらされているとの見方を示した。

Cゴールドマン・サックスは27日、東欧諸国のソブリン債は国際通貨基金(IMF)など国際機関からの支援がなければデフォルトに陥る恐れがあると指摘した。


今週のマクロ経済指標
3月2日(月)
 *1月個人所得…コンセンサス予想-0.3%(前月は-0.2%)

 *1月個人支出…コンセンサス予想0.3%(前月は-1.0%)

 *1月PCEデフレータ(前年比) …(前同期比は0.6%) 

 *1月PCEコア・デフレータ(前月比) …コンセンサス予想0.1%(前月は0.0%)

 *1月PCEコア・デフレータ(前年比) …コンセンサス予想1.6%(前月は1.7%)

 *2月ISM製造業景況指数…コンセンサス予想34.0(前月は35.6)

 *2月ISM支払価格…コンセンサス予想35.5(前月は29.0)

 *1月建設支出(前月比) …コンセンサス予想-1.5%(前月は-1.4%)


3月3日(火)
 *1月中古住宅販売保留(前月比) …コンセンサス予想-3.0%(前月は-6.3%)

 *3月1日ABC消費者信頼指数…(前月は-48)

 *2月自動車販売台数総計…コンセンサス予想960万ドル(前月は960万ドル)

 *2月国内自動車販売…コンセンサス予想700万ドル(前月は690万ドル)
                           
3月4日(水)
 *2月27日MBA住宅ローン申請指数…(前月は-15.1%)

 *2月チャレンジャー人員削減数(前年比) …(前同期比は222.4%) 

 *2月ADP雇用統計…コンセンサス予想-610,000(前月は-522,000)

 *2月ISM非製造業景況指数(総合) …コンセンサス予想41.3(前月は42.9)


3月5日(木)
 *1月ICSCチェーンストア売上げ高(前年比) …(前月は-1.6%)

 *非農業部門労働生産性…コンセンサス予想1.6%(前月は3.2%)

 *単位労働費用…コンセンサス予想3.4%(前四半期は1.8%)

 *2月28日新規失業者保険申請件数…コンセンサス予想667,000

 *1月製造業受注指数…コンセンサス予想-2.2%(前月は-3.9%)


3月6日(金)
 *2月非農業部門雇用者数変化…コンセンサス予想-618,000(前月は-598,000)

 *2月失業率…コンセンサス予想7.9%(前月は7.6%)

 *2月製造業雇用者変化…コンセンサス予想-170,000人(前月は-207,000人)

 *2月平均時給(前月比) …コンセンサス予想0.3%(前月は0.3%)

 *2月平均時給(前年比) …(前四半期は3.9%)

 *2月週平均労働時間…コンセンサス予想33.3時間(前月は33.3時間)

 *12月消費者信用残高…コンセンサス予想-39億ドル(前月は-66億ドル)

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今週の展望
先週も相場は大幅続落となった。以下が背景である。

@金融安定化策に具体性が欠ける。
A規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発表したが、この規模では不十分との見方が強い。
BGM、クライスラーが、再建計画を提出したものの、再建案は力不足との評価がもっぱらだった。GMは来月資金が必要になると表明したし、両社とも要求額が多額であるが、政府の自動車業界作業部会との交渉結果が未だ出ていない。
C米財務省が政府保有のシティ優先株の最大250億ドル(約2兆4380億円)相当を普通株に転換することで合意したと発表したことから、実質政府管理下におかれ、株主価値希薄化進捗を背景に売り物が出た。バンカメも急落。政府は国有化の計画を否定するが、銀行の損失を保証するとの現行の政策に則れば、シティ・グループにようになる銀行が更に増加する可能性がある。
Dヨーロッパ株が急落。先のラトビアに次いで、ウクライナの信用格付けがS&Pによって2ノッチ引き下げられた。東欧は引き続き格下げの対象になっている。東欧へのエクスポジャーを持つ欧米の銀行へのダメージが懸念される。


相場の方は、ダウ指数、S&P500指数が昨年11月の安値を切り下げた。ダウ指数の例で行くと、次の支持線は7,200ドル(これは2002年10月11日のザラ場の安値7,197.49)だが、これさえも切り下げており、いよいよ6,000ドルまで一気に下落する可能性が出てきた。

相場は、オバマ政権の各種対策に不信任状を突きつけた形であり、好転のためには、政策面でアピールをもたらさねばなるまい。

1990年代の日本をかんがみて、大規模な財政出動の実施よりも先に、金融システムの回復を確実にする必要がある。特に銀行のバランスシートを圧迫している住宅価格の下落を食い止めることが急務だ。バランスシートの資産側が安定しない限り、銀行は立ち直れないからだ。その意味で、@不動産差し押さえ防止に向けた動きA官民共同不良債権買取ファンド構想の具体化が待たれるところ。


予想レンジ
ダウ指数…6,500ドル〜7,500ドル
ナスダック指数…1,300〜1,500



米国債券先週の動き
債券は軟化。30年債の利回りは対前週比0.16%上昇。10年債は同0.23%上昇。また、5年債は対前週比0.19%上昇。2年債は同0.04%上昇。とりわけ10年債の利回り上昇が顕著だった。

   (債券相場の弱材料)
@大規模な国債発行が重荷となった。財務省は2年債(400億ドル)、5年債と7年債(合計540億ドル)の入札を実施。
Aオバマ政権が発表した予算教書によると、今会計年度(2009年9月末終了)の財政赤字は過去最大の1兆7500億ドルに達する見込みで、これはゴールドマンの予想を23%上回る。
B米連邦預金保険公社(FDIC)は、金融機関の発行する新発債の保証を拡大する可能性があることから、市場参加者の間では国債の供給が増加するとの観測につながった。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年2月27日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては若干上方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで1.35%上昇、対円で4.9%上昇した。

  (ドル高の背景)
@バーナンキFRB議長が、政府と議会、FRBの行動が金融の安定化につながれば、現在のリセッションが09年中に終わり、10年は回復の年となるだろうと証言した。
A日本経済の悪化が深刻化するとともに、麻生首相の支持率低下も円売り材料となった。
B日本の貿易赤字が1980年以来で最悪の赤字を記録したことを受け、逃避先としての円需要が薄れた。
Cバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は議会証言で銀行を国有化する計画がないことを強調。また、オバマ大統領は24日夜の議会での演説で、リセッションは米国が抱える問題を解決する好機であると述べた。
D英銀ロイズ・バンキング・グループの株価が27日のロンドン市場で急落した。不良資産による損失から銀行を保護する政府の保証プログラムについて具体的な合意を発表しなかったことが嫌気された。
E運用会社のヘイマンン・アドバイザーズ(テキサス州ダラス)は、欧州経済通貨同盟(EMU)が解体のリスクにさらされているとの見方を示した。

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原油相場先週の動き
原油価格は続伸。前週末比で16.12% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物4月限は前週末の1バレル=38.94ドルに対し、2月27日は45.22ドルで越週した。

  (原油価格続伸の背景)
米エネルギー省の在庫統計で示されたガソリン在庫減少が背景。エネルギー省によると、前週のガソリン在庫は332万バレル減少。



=以上=
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2009年02月23日

今週の米国株相場展望 2/22

今週の米国株相場展望

2月22日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週6.18%下落。S&P500指数は同6.78%下落。ナスダック指数は6.06%下がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同8.48% 下落した。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、全般続落基調だった。


相場下落の背景
1.オバマ米大統領は、規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発表したが、この規模では不十分との見方が出ている。これを受け、住宅建設株や、住宅ローン扱う銀行株が軟調。

2.ゼネラル・モーターズ(GM)に悪材料。
@GMも、再建計画を提出したものの、来月資金が必要になると表明したことや、要求額が多額であったことから懸念が生じた。

Aスウェーデンの自動車メーカー、サーブ・オートモービルは20日、国内法の下での会社更生を申請した。親会社のゼネラル・モーターズが20年にわたり不採算だった同事業からの撤退を決めたことが背景。サーブは裁判所の管理下で完全に独立した企業への再生を目指すと言う。更正手続きは3カ月で終了する公算。また、クライスラーは、GMとの合併が最善の策と考えているとの観測が高まった。

3.マドフに次いで、新たな大規模詐欺容疑が生じた。
SECは17日、米投資会社スタンフォード・ファイナンシャル・グループのR・アレン・スタンフォード会長が傘下のスタンフォード・インターナショナル銀行を通じ、80億ドル相当の譲渡性預金証書(CD)を販売したことについて、大規模かつ、現在もまだ継続中の詐欺行為を働いたとして提訴した。SECはダラス連邦地裁に資産の凍結と、投資家に資金を返還する管財人の任命を求めた。

4.インフレ指標に悪化の兆しが出た。
@1月の生産者物価指数(PPI)全完成品は、前月比0.8%上昇し、予想(0.3%上昇)を上回った。プラス転換は昨年7月以来6カ月ぶり。食品とエネルギー価格を除いたコア指数は0.4%上昇(前月0.2%上昇)と、市場予想の0.1%上昇を上回った。これを受け、債券が売られた。

A1月の消費者物価指数は前月比0.3%上昇(前月は0.8%低下)と、予想に一致した。前月比上昇は6カ月ぶり。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇、予想値(0.1%上昇)を上回る伸びだった。

5.金融株に悪材料が続出。
@クリストファー・ドッド米上院銀行委員長は20日、政府は銀行国有化を回避する道を模索しており、国有化という措置を取らないのが望ましいとの見解を述べた。ただし、一部の銀行は、短期的に国有化する必要があるかもしれないと発言。これを受け、シティ・グループとバンカメの株価が急落。米国政府による国有化観測が背景。国有化になれば株主利益が消失するとの懸念が高まった。両銀は政府から4カ月で計900億ドルの支援を受けているため。

A元オッペンハイマーのメレディス・ホイットニー氏が、以下の通りCNBCで発言した。

   (発言要旨)
★大手銀行のほとんどにとって、今年収支トントンか、少しでも利益が出れば幸運であろう。
★自分がカバーする銀行が、配当支払いを継続できるとは思わない。

Bゴールドマンとフィッチ・レーティングスのアナリストが19日、クレジットカードのデフォルトが今年、過去最高に達する可能性があると予想し、一部の金融機関の年間利益の半分余りが帳消しになると指摘した。

6.ヒューレット・パッカード(HPQ)の決算内容が不振だった。
18日引け後発表された決算が予想より不振だった。コンピューターやプリンターを含めほぼすべての中核事業で大幅な減収となり、13%の減益だった。これまで、業界でも上昇モメンタムが続く異色の存在だっただけに、少々驚きの内容だ。特に、中核事業部門であるPC部門で、デスクトップPCの売れ行き不振が目立つ。また、主力部門の一つであるイメージング・プリンティング部門でも不振が続きそうとのこと。好調を保ったのは、サービス部門とソフトウエア部門であった。

7.海外株安も影響した。
@日本の2008年10−12月期実質国内総生産(GDP)が大幅に落ち込んだことを受け、景気不安が再浮上した。また、中川財務相兼金融担当相辞任も麻生政権に打撃と受け止められ、相場にとっては懸念要因となった。

Aムーディーズは17日公表した欧州新興国(特に東欧)の銀行セクターに関する特別報告書のなかで、景気後退が他の地域より深刻化する恐れがあるため、同地域の銀行、および同地域に子会社を持つ西欧の銀行の財務力格付けが圧力にさらされていると警告した。銀行株では、スウェーデンのスウェドバンクとイタリアのウニクレディトが急落。


今週のマクロ経済指標
2月24日(火)
 *12月S&P/ケース・シラー総合-20…(前月は154.59)

 *12月S&P/ケース・シラー総合-20(前年比)… コンセンサス予想-18.25%
  (前同期比は-18.18%)

 *2月消費者信頼指数…コンセンサス予想36.0(前月は37.7)

 *住宅価格指数(前期比)…(前同期比は-1.8%)

 *2月リッチモンド連銀製造業指数…(前月は-49)

 *2月24日ABC消費者信頼指数…(前月は-49)

        
2月25日(水)
 *2月20日MBA住宅ローン申請指数…(前月は-45.7%)

 *1月中古住宅販売件数…コンセンサス予想481万件(前月は474万件)

 *1月中古住宅販売件数(前月比) …コンセンサス予想1.4%(前月は6.5%)


2月26日(木)
 *1月耐久財受注…コンセンサス予想-2.3%(前月は-2.6%)

 *1月耐久財(除輸送用機器)…コンセンサス予想-2.0%(前月は-3.6%)

 *2月21日新規失業者保険申請件数… (前月は627,000件)

 *2月14日失業保険継続受給者数…(前月は4,987,000人)

 *1月新築住宅販売件数…コンセンサス予想329,000(前月は331,000)

 *1月新築住宅販売件数(前月比)…コンセンサス予想-0.3%(前月は-14.7%)


2月27日(金)
 *実質GDP(前期比年率) …コンセンサス予想-5.4%(前同期比は-3.8%)

 *個人消費…(前月は-3.5%)

 *GDP価格指数(前期比) …コンセンサス予想-0.1%(前同期比は-0.1%)

 *コアPCE(前期比) …(前同期比は0.6%)

 *2月シカゴ購買部協会景気指数…コンセンサス予想34.0(前月は33.3)

 *2月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想 56.5(前月は56.2)

 *2月NAPM-ミルウォ-キー…(前月は33.0)

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今週の展望
先々週は、金融安定化策に具体性が欠けるとのことから、株は失望売りを浴びた。

先週は、オバマ米大統領が、規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発表したが、この規模では不十分との見方から、住宅建設株や、住宅ローン扱う銀行株が急落した。

また、GM、クライスラーが、再建計画を提出したものの、再建案は力不足との評価がもっぱらだった。GMは来月資金が必要になると表明したし、両社とも要求額が多額であったことから懸念が生じた。

特に金曜日は金融株が暴落状態だった。シティ、バンカメ中心に国有化懸念が高まったためだ。

相場の方は、ダウ指数、S&P500指数が昨年11月の安値を切り下げた。ダウ指数の例で行くと、次の支持線は7,200ドルである。これは2002年10月11日のザラ場の安値7,197.49である。ITバブル崩壊後の最安値と言うことで、この支持線は重要な意味を持つ。これを切り下げた場合、6,000ドルまで一気に下落する可能性がある。

相場は、オバマ政権の各種対策に不信任状を突きつけた形であり、好転のためには、政策面でアピールをもたらさねばなるまい。20日(金)も相場は続落商状で、指数は軒並み3%を超す下げだったが、午後2時52分頃、財務省が、来週金融安定化に関する具体策を発表するとの観測が出て急速に戻した。これを見ても、市場にアピールする政策発表が必要になる。

今週は金融安定化への具体策、GM、クライスラーへの政府の対応が重要になってくる。ここで安心感をもたらせば反発、失望させた場合は続落となろう。

以下は各、ベア相場で、ダウ指数の下落が始まって499日間の累積下落率(1900年から)のグラフである。今回は、早くも29年の暴落に次ぐ累積下落率となった。
    
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予想レンジ
ダウ指数…6,500ドル〜7,800ドル
ナスダック指数…1,350〜1,500



米国債券先週の動き
債券は小幅続伸。30年債の利回りは対前週比0.11%低下。10年債は同0.11%低下。また、5年債は対前週比0.06%低下。2年債は同0.02%低下。とりわけ長期債の利回り低下が顕著だった。

   (債券相場の強材料)
@ムーディーズ・インベスターズ・サービスは東欧の景気悪化に伴い、同地域で子会社を通じて事業を展開するオーストリアやスウェーデンなどの銀行の格付けを引き下げる可能性に言及。世界的に株が下落する中、質への逃避から国債に買い物が入った。
A外国の政府と投資家が保有する米長期金融資産額はエコノミスト予想を上回る買い越しだった。
B銀行国有化の観測から株価が大幅安となり、質への逃避から米国債へ資金が流れた。国有化になれば株主利益が消失するとの懸念から、シティ・グループとバンカメ株が急落。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年2月20日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては若干下方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで0.29%上昇、対円で1.3%上昇した。

   (ドル高の背景)
@ムーディーズ・インベスターズ・サービスは東欧の景気悪化に伴い、同地域で子会社を通じて事業を展開するオーストリアやスウェーデンなどの銀行の格付けを引き下げる可能性に言及。これを受け、ユーロが対ドルで売られた。
A日本の2008年10−12月期実質国内総生産(GDP)が大幅に落ち込んだことを受け、景気不安が再浮上した。また、中川財務相兼金融担当相辞任も麻生政権に打撃と受け止められ、円安要因となった。
Bオバマ大統領が住宅差し押さえ抑制を目指し、規模750億ドル(約7兆200億円)の住宅支援計画を発表した。住宅支援策が米経済の回復を助け、安全投資としての円への需要が弱まるとの観測が広がった。米国は他の国々よりも問題に取り組んでいるのに対し、欧州は対応が遅いとの見方も背景にある。

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原油相場先週の動き
原油価格は続落。前週末比で3.81% 上昇した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物3月限は前週末の1バレル=37.51ドルに対し、2月20日は38.94ドルで越週した。

   (原油価格が反発した背景)
米エネルギー省の統計で在庫が予想外に減少した。先週の原油在庫は13万8000バレル減少の3億5060万バレル。今年初めてのマイナスとなった。原油在庫は320万バレルの増加が見込まれていた。



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2009年02月16日

今週の米国株相場展望 2/15

今週の米国株相場展望

2月15日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週5.20%下落。S&P500指数は同4.81%下落。ナスダック指数は3.60%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同4.75% 下落した。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、全般調整基調だった。

相場下落の背景
1.ガイトナー財務長官は10日、金融安定化策を発表。ただし、以下のような評価がされた。これを受け、特に銀行株が急落。バンカメは20%も下落した。

★官民共同のファンド設定に関して、さまざまな仕組みを模索しており、市場関係者や国民から意見を得るつもりだ。この計画は最大1兆ドルを供与できるが、まずは5000億ドルから始め、状況に応じて拡大していくとしているが、具体性、透明性が欠けている。これで金融危機が救えるかとの疑義が生じた。
★新規融資を促進し、不良債権に取り組むためのプログラムに政府が最大2兆ドル(約180兆円)を拠出する方針を表明したが、そこまで金融システムが悪化しているのかとの認識が広がるとともに、懸念が増大した。

2.ノーベル経済学賞受賞者のジョゼフ・スティグリッツコロンビア大学教授は、米景気対策が成功する可能性は極めて低いとの見方を述べた。

   (発言要旨)
★同対策が住宅差し押さえの増加を食い止められていないほか、金融機関の不良資産は誰が最終的な責任を持つのかが明確になっていない。
★未払いの住宅ローン返済をめぐり条件などを再交渉する際に、金融機関は適切なインセンティブを受けていない。また政府はローン提供においてリスクを取り過ぎている。

3.景気に対する悪材料が出た。
@2月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値)は56.2(前月は61.2)と、予想(60.2)を下回った。今後6ヶ月間の先行き景況感を示す指数は49.1と、前月の57.8を下回った。現在の景況感を示す指数は67.1(前月66.5)だった。

A6日までの1週間の住宅ローン申請指数は600.6と、前週の795.4か24.5%低下し、昨年11月以来の低水準となった。住宅ローン30年物固定金利は平均で5.19%と、前週の5.28%から低下。


今週のマクロ経済指標
2月17日(火)
 *2月ニューヨーク連銀製造業景気指数…コンセンサス予想-23.00(前月は-22.20)

 *12月ネット長期TICフロー…(前月は-217億ドル)

 *12月ネットTICフロー合計…(前月は568億ドル)


2月18日(水)
 *2月13日MBA住宅ローン申請指数…(前月は-24.5%)

 *1月住宅着工件数…コンセンサス予想530,000件(前月は550,000件)

 *1月鉱工業生産…コンセンサス予想-1.4%(前月は-2.0%)

 *1月設備稼働率…コンセンサス予想72.5%(前月は73.6%)


2月19日(木)
 *1月生産物価指数(前月比)…コンセンサス予想0.2%(前月は-1.9%)

 *1月PPI(除食品&エネルギー/前月比)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)

 *1月景気先行指標総合指数…コンセンサス予想-0.0%(前月は0.3%)

 *2月フィラデルフィア連銀…コンセンサス予想-25.1(前月は-24.3)


2月20日(木)
 *1月消費者物価指数(前月比) …コンセンサス予想0.3%(前月は-0.7%)

 *1月CPI(除食品&エネルギー/前月比)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.0%)

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今週の展望
金融安定化策に具体性が欠けるとのことから、株は失望売りを浴びた。

批判者の論点は凡以下の通りだろう。

1.既存路線の延長であり目新しいものではない。市場が期待していたのは金融機関の不良債権をいかにバランスシートから切り離すかということだったが、具体策は出なかった。不良資産の買い取り価格もまだ決まっておらず、政府保証を付けるにしても、損失の「後払い」的な不透明さが残る。

2.公的資金の資金枠も1兆ドルでは不十分。仮に資産査定を厳格化すれば、類似商品の時価が確定し金融機関の財務が悪化、金融不安を助長しかねないという問題もある。米金融問題は暗礁に乗り上げたという印象だ。

しかし、現時点で具体的な対策をまとめるのはもともと難しかったと言えるだろう。金融安定化策発表のスピードを優先させるために、具体性を犠牲にした形だ。買取り対象となる証券化商品と言っても、その中身は多様で、発行者も地理的に広がっている。また、個別のローン債権も、独特かつ異質であり、似たものと言えど、価格査定は困難だ。現在フル・バリューでも、損失を認識する時期などの決定も難しい。従って、当局は今後の運用で勝負するつもりなのだろう。相場は、政策の運用実効性を見極めるフェーズに入るだろう。

ただ、景気対策法案もまもなく成立する運びとなっており、これが成立すれば、数ヶ月後には、経済効果を発揮し始める。

またオバマ政権は住宅対策で、住宅ローンの返済が困難な借り手を対象とした金利減免に公的資金を投入する一方、議会には住宅ローン条件変更策の拡充で承認を求める見通しであり、ガイトナー米財務長官は数日中か1週間以内にもこの計画を発表する意向であるとのニュースが報じられている。

相場は当局の動きを睨みながら、当面神経質な展開となりそうだ。


予想レンジ
ダウ指数…7,500ドル〜8,500ドル
ナスダック指数…1,450〜1,600


米国債券先週の動き
債券は反発。30年債の利回りは対前週比0.01%低下。10年債は同0.10%低下。また、5年債は対前週比0.08%低下。2年債は同0.03%低下。とりわけ10年債の利回り低下が顕著だった。

   (債券相場の強材料)
@市場参加者の間で米金融安定化策は内容不十分との観測が広がり、安全投資から国債に買いが入った。
A3年債の入札(320億ドル)が実施されたが、投資家の需要は予想よりも高かった。
B株急落で、質への逃避的買いが入った。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年2月13日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては若干下方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで0.38%上昇、対円で0.09%下落した。全体として小動きだった。

   (小動きだった背景)
金融安定化策の具体性が欠ける中、景気対策が上下院で合意に近づいているとのポジティブ材料がドルの支援材料となった。ただ、方向性のない展開だった。

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原油相場先週の動き
原油価格は続落。前週末比で6.62% 下落した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物3月限は前週末の1バレル=40.17ドルに対し、2月13日は37.51ドルで越週した。

   (原油価格が続落した背景)
米エネルギー省の統計で原油在庫が472万バレル増加し、予想(275万バレル)を上回った。


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2009年02月09日

今週の米国株相場展望 2/8

今週の米国株相場展望

2月8日

森  崇


先週の動き
ダウ指数は先週3.50%上昇。S&P500指数は同5.17%上昇。ナスダック指数は7.81%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同6.13% 上昇した。

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(先週の米国株相場の動き)
先週は、右肩上がりの上昇相場であった。
相場上昇の背景

1.強めの指標が出た。
@全米不動産業者協会(NAR)が3日に発表した12月の中古住宅販売成約指数は前月比6.3%上昇の87.7(11月は前月比3.7%低下)と、予想(前月比変わらず)を大幅に上回った。昨年8月以来4ヶ月ぶりにプラスに転じた。
A小売大手の1月米既存店売上高が予想を上回った。
小売り最大手ウォルマート・ストアーズとターゲット、百貨店2位のメーシーズ、衣料品小売りのリミテッド・ブランズが5日発表した1月の米既存店売上高は、いずれも予想を上回った。

2.政府の各種救済策が好感された。
@米政府は条件変更済みの住宅ローンに政府保証を与えることを検討している。金融機関は返済困難な借り手に対して住宅ローンの条件を緩和しているが、オバマ政権が検討している保証案は金融機関がデフォルトに陥らないよう保護することを目的としている。
Aワシントン・ポスト(電子版)は4日、オバマ米大統領が24日に米議会の上下両院合同本会議で演説すると伝えた。経済危機への対応策、イラク、アフガニスタンを巡る政策、中東和平問題などへの政権の取り組みについて演説する見通しという。米国では大統領が年1回、一般教書と呼ぶ演説で議会に対し内政・外交の施政方針を示す。1期目の大統領が就任する年は一般教書演説がなく、就任翌月の2月に演説するのが慣例になっている。
B米失業率が1992年以来の高水準に上昇。9000億ドル相当の景気対策法案が議会を通過するとの見方につながり、株式市場で買いが入った。
C米財務省が6日に発表した声明によると、ガイトナー財務長官は9日のワシントン時間正午に金融安定化計画を発表する。同計画は効果的、かつ持続的な景気回復を支えるのが目的だという。

3.主要企業の決算が好調だった。
@薬品大手メルク、シェーリングプラウの10−12月期の利益が予想を上回った。
A4日引け後のヴィザ(V)に次いで、マスターカード(MA)の決算が好調だった。
Bアカマイ・テクノロジーズ(AKAM)
高速インターネット用ソフト会社である同社の第4四半期利益が予想を大幅に上回った。
Cシスコ・システムズ(CSCO)
4日引け後、次の四半期ガイダンスが予想を下回ったものの、同社株には押し目買いが入った。

4.金融株に好材料が出た。
@バンカメ(BAC)に強材料が出、金融株に安心買いが入った。
★レイデンバーグ・ソールマンのアナリスト、リチャード・ボーブ氏がバンカメ株に強気コメント。ポジティブキャッシュフローと政府支援を指摘し、同銀の株式投資判断を「ストロング・バイ」とした。ルイス氏は米金融機関の経営責任者のなかで最高の人材ではないかとみている。バンク・オブ・アメリカには1株当たり5ドルの収益力があるとの見方に変わりはないとした。
★バンカメのケネス・ルイスCEOは6日、CNBCのインタビューで、同銀が国有化されることはないと語り、政府からの追加支援も必要ないとの見解を述べた。

Aゴールドマン(GS)とモルガン・スタンレー(MS)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーが、ゴールドマンとモルガン・スタンレーが、米金融安定化プログラム(TARP)に基づいて注入を受けた100億ドルの公的資金をできる限り早期に返済するとの見方を示した。

5.著名投資家マーク・ファーバー氏は6日、米ハイテク株買いを推奨した。ハイテク株が2000年のドット・コム・バブル破裂以降の安値近くにまで下落していることが背景。シスコシステムズ、インテル、マイクロソフト、オラクルの株価は今後5−10年に投資収益率で米国債を上回ると予想。ナスダック市場ではハイテク株の買いを仕込む時期だと指摘。


今週のマクロ経済指標
2月10日(火)
 *12月卸売在庫…コンセンサス予想-0.7%(前月は-0.6%)

 *2月IBD/TIPP景気楽観指数…(前月は45.4)

 *2月8日ABC消費者信頼感指数…(前月は-52)


2月11日(水)
 *2月6日MBA住宅ローン申請指数…(前月は8.6%)

 *2月ブルームバーググローバル信頼感指数

 *12月貿易収支…コンセンサス予想-370億万ドル(前月は-404億万ドル)

 *1月月次財政収支…コンセンサス予想750億万ドル


2月12日(木)
 *1月小売売上高…コンセンサス予想-0.3%(前月は-2.7%)

 *1月小売売上高(除自動車)…コンセンサス予想-0.4%(前月は-3.1%)

 *2月7日新規失業保険申請件数…(前月は626,000件)

 *1月31日失業保険継続受給者数…(前月は4,788,000件)

 *12月企業在庫…コンセンサス予想-0.6%(前月は-0.7%)

   
2月15日(金)
 *2月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想61.5(前月61.2)
   
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今週の展望
米失業率が1992年以来の高水準に上昇したため、9000億ドル相当の景気対策法案が議会を通過するとの見方につながっている。上院では、早ければ8日採決の動きとなっている。

また、ガイトナー財務長官は9日のワシントン時間正午に金融安定化計画を発表する。同計画は効果的、かつ持続的な景気回復を支えるのが目的だという。

中身として、銀行のバランスシートから不良資産を切り離す措置が含まれていたら、市場は最も好感するだろう。この構想は、銀行から不良資産を買い取る「バッドバンク」を設立するものだ。今のところ、TARPから1,000億−2,000億ドルを拠出するほか、政府保証債の発行や連邦準備理事会(FRB)からの借り入れを通じて1兆−2兆ドルを調達する案が出ているが、これが出たら、恐らく株式市場は最も歓迎するだろう。

国際通貨基金(IMF)は5日、世界的な金融不安に対応する抜本策として、金融機関が抱える不良資産を政府などが設立する公的な「バッドバンク」が買い取ることが望ましいとしている。バッドバンクに金融機関の不良資産を移し、貸借対照表から切り離せば、金融機関の財務の透明性を最大限に確保できるし、不確実性も相当程度、削減できる。かつての金融危機で同様の措置を取った際には、おおむね良好な結果が得られたとして、現在の危機を克服するには適した方法だろうと分析している。

ただし、銀行が取り除く必要のある資産の価値を特定し、価格を決定する必要がある。その際問題になるのは、それらの不良資産の価値をどう評価付けするかということだ。失業率上昇や景気悪化に見舞われる状況では特に、そのようなスキームの実現を妨げる政治的な障壁は相当大きい。

従って現下では、不良資産の保証に重点を置いた内容になる公算が大きいと言えそうだ。政府保証はシティグループやバンク・オブ・アメリカに対してすでに実施した保証をモデルとし、金融機関の優先株を買い取り、その後普通株に転換する手法と併用される可能性がある。

ただし、シティグループとバンク・オブ・アメリカの不良資産計4000億ドル超から生じる損失に保証を付ける措置を講じたが、両行に対する投資家信頼感は回復していないとの事例がある。米金融機関は貸し倒れがすでに7450億ドルに上っていると発表されているし、ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は、米国の損失が最終的に3兆6000億ドルに達する恐れがあると予想している。

ただし、景気対策法案成立が早そうなことから、市場はこれを支援材料に更に続伸しそうな気配である。

ばら積み船運賃の指標であるバルチック・ドライ指数が連日上昇している。鉄鉱石を運搬するケープサイズ型船舶で非稼働船の数はほぼゼロとなり、鉄鉱石需要の回復を示唆している。中国での在庫水準を昨年9月の最高水準から今年1月半ばまでで22%減らした鉄鋼メーカーが、在庫を積み増している可能性がある。また、鉄鉱石生産業者が過剰分を中国で備蓄するため同国に運んでいることも考えられており、ヴァリ(RIO)中心に、鉄鋼関連株はじめ商品関連株が急伸を始めた。

6日には、モザイク(MOS)、ポタッシュ(POT)と言った化学肥料メーカー株が戻り高値を更新しており、モンサント(MON)など農業関連株にも飛び火するに至っている。

国債→高格付け社債→シスコ、インテル、マイクロソフト、オラクルなど業界最大手のブルーチップの順番に資金が流入しており、最近ナスダック指数の高パフォーマンスが目立っている。今週もこの傾向が続こう。


予想レンジ
ダウ指数…8,200ドル〜9,000ドル
ナスダック指数…1,500〜1,700



米国債券先週の動き
債券は続落。30年債の利回りは対前週比0.08%上昇。10年債は同0.14%上昇。また、5年債は対前週比0.08%上昇。2年債は同0.05%上昇。とりわけ10年債の利回り上昇が顕著だった。

   (債券相場の弱材料)
@財務省が発表した来週実施予定の中長期債入札規模が合計で過去最大の670億ドルに達した。10日に3年債入札320億ドルを実施、11日に10年債210億ドル、12日に30年債140億ドルの入札をそれぞれ実施する。同省はまた1993年を最後に停止していた7年債の発行を再開するとした。
A米供給管理協会(ISM)の発表した2009年1月の非製造業総合景況指数が予想に反して前月比で上昇した。

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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックしたため、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年2月6日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としては上方パラレル・シフト。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで1.07%下落、対円で2.3%上昇した。

   (対ユーロでドル安の背景)
@米供給管理協会(ISM)が発表した製造業景況指数が12ヶ月連続で50を下回った。
A米消費者支出(PCE)も6ヶ月連続で減少した。
BFRBが、大部分の米銀が過去3ヶ月間に貸し出し条件を引き上げたと発表。
C1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数がエコノミスト予想よりも大幅に減少したことが嫌気されている。

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原油相場先週の動き
原油価格は続落。前週末比で3.78% 下落した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物3月限は前週末の1バレル=41.75ドルに対し、2月6日は40.17ドルで越週した。

   (原油価格が続落した背景)
@12月の個人消費が過去最長の6ヶ月連続減少を記録した。
A前週末に米国の製油所と全米鉄鋼労働組合が新規労使協約をめぐる交渉を延長し、ストライキの可能性が後退したことから、ガソリンおよびヒーティングオイル先物も大きく下げた。
B米エネルギー省が発表した原油在庫の増加幅がアナリスト予想の2倍を上回った。エネルギー省によると、先週の原油在庫は720万バレル増加して3461バレルと、2007年7月以来の最高水準に達した。予想は、前週比300万バレル増加となっていた。
C1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数がエコノミスト予想よりも大幅に減少したことから、原油需要減少懸念が出た。


=以上=
posted by mori at 09:50 | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする