4月12日
森 崇
先週の動き
ダウ指数は先週0.82%上昇。S&P500指数は同1.67%上昇。ナスダック指数は1.89%上がった。また、小型株指数のラッセル2000指数は同2.65% 上昇した。
S&P500指数は週間ベースでは、2007年10月以来最長となる5週連続の上げとなった。

詳しい業種別値上がり状況は以下の通り。

(先週の米国株相場の動き)
先週は、金曜日がグッド・フライデーで休場となったことから4日間の取引だったが、前半は軟調、後半は切り返した。この結果、S&P500指数は週間ベースで、2007年10月以来最長となる5週連続の上げとなった。
相場への強材料
1.米財務省は8日、問題債権購入計画(TARP)に基づく公的資金注入先に生命保険会社を加えると発表した。これを受け、生保大手のハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループやリンカーン・ナショナルの株価が上昇した。
2.銀行に好材料が出た。決算発表を前に明るいムードとなった。
★ウェルズ・ファーゴ(WFC)に好材料。
(内訳)
○1−3月期の総収入は200億ドルが見込まれている(予想は188億4600万ドルだった)
○1−3月(第1四半期)決算では純利益が約30億ドルになるとの見通しを発表した。
○暫定集計では普通株1株当たり利益は約55セント。
○住宅ローンの平均金利が5%を割り込むなか、新規の住宅ローンが増加、借り換えも増えている。
○1−3月期に1000億ドルの住宅ローンを組成した。同銀は2−4月期も好調な住宅ローン組成を見込んでいる。
★検査中の銀行に関して言えば、考えられているより状態は良好である。米政府によるストレス テストの対象となっている米金融機関19社がすべて、審査に合格する見通しだと9日付NYタイムズ紙が報じた。ただし、今後救済が必要になる可能性もあると言う。
★カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は9日、大手米銀に対する政府のストレステスト(健全性審査)の結果、そのほとんどが一段の公的資金注入の必要性はないと判断されるとの見解を示した。
★JPモルガン・チェース(JPM)
フォックスピット・ケルトン・コクラン・キャロニア・ウォーラーが9日付のリポートで、JPモルガン・チェースに強気コメント。
(要旨)
○JPの1−3月(第1四半期)1株当たり利益予想を24セントから35セントに引き上げる。
○JPの中核事業の収入は、前四半期から14%増の229億ドルに達した可能性がある。また、投資銀行業務も好調だった。
○JPはまた、負債の評価額を20億ドル切り下げる可能性がある。同銀のクレジットスプレッドは拡大している。
○リスク資産を切り離し、資産の評価額を7億ドル切り下げるだろう。
★ロバート・W.ベアードの首席投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は、1−3月期決算への期待はあまりにも低いため、うれしい驚きとなる可能性は十分にある。当社は夏後半に向けて株が上昇するとみているとコメントした。
3.景気への強気発言が好感された。
サマーズ米国家経済会議(NEC)委員長は9日、以下の通り発言。
(発言要旨)
★景気の急降下に、数ヶ月内に歯止めがかかる。
★信用市場にはなお著しい緊張が残るものの、状況は緩和された。在庫の大幅圧縮で、いずれ生産が拡大するための下地が整いつつある。
4.オバマ米大統領は9日、経営危機に陥っている米自動車メーカーを支援するため、政府が公用車の調達を加速し、6月1日までに国内メーカー生産の低燃費車を約1万7600台購入すると発表した。
5.主要企業に好材料が出た。
★センテックス(CTX)
住宅建設大手パルト・ホームズは8日、テキサス州を拠点とする同業のセンテックスを総額13億ドルの株式交換により買収すると発表した。買収完了後は時価総額で全米第首位の住宅建設会社になるとしている。パルト・ホームズはセンテックスの債務約18億ドルを引き受ける。
★ベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)
バス用品チェーン店が7日引け後に決算発表。予想を上回る内容だった。
★ジュニパー・ネットワークス(JNPR)
ネットワーク機器大手ジュニパー・ネットワークス(JNPR)は7日引け後、1-3月期の売り上げ見通しを下方修正した。ただし、予想以上に営業費用を削減できていることから、1株利益については先に発表した見通しレンジの範囲内に収まるとした。利益水準が予想の範囲内に収まったことが好感された。
今週のマクロ経済指標
4月14日(火)*3月生産者物価指数(前月比) …コンセンサス予想0.0%(前月は0.1%)
*3月PPI(除食品&エネルギー/前月比)… コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)
*3月生産者物価指数(前年比) …コンセンサス予想-2.0%(前同期比は-1.3%)
*3月PPI(除食品&エネルギー/前年比)… コンセンサス予想4.0%(前同期比は4.0%)
*3月小売売上高…コンセンサス予想0.3%(前月は-0.1%)
*3月小売売上高(除自動車)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.7%)
4月15日(水)*4月9日MBA住宅ローン申請指数…(前月は4.7%)
*4月ブルームバーググローバル信頼感指数…(前月は5.95)
*3月消費者物価指数(前月比)…コンセンサス予想0.2%(前月は0.4%)
*3月CPI(除食品&エネルギー・前月比)…コンセンサス予想0.1%(前月は0.2%)
*3月消費者物価指数(前年比)…コンセンサス予想0.0%(前同期比は0.2%)
*3月CPI(除食品&エネルギー・前年比)…コンセンサス予想1.7%(前同期比は1.8%)
*3月CPIコア指数 季調済…(前月は217.670)
*3月消費者物価指数(季節前)…(前月は212.193)
*4月ニューヨーク連銀製造業景気指数…コンセンサス予想-35.0(前月は-38.23)
*2月ネット長期TICフロー… (前月は-430億ドル)
*2月ネットTICフロー合計… (前月は-1,489億ドル)
*3月鉱工業生産…コンセンサス予想-0.9%(前月は-1.4%)
*3月設備稼働率…コンセンサス予想69.7%(前月は70.9%)
*4月NAHB住宅市場指数…コンセンサス予想10(前月は9)
4月16日(木)*3月住宅着工件数…コンセンサス予想550,000件(前月は583,000件)
*3月建設許可件数…コンセンサス予想550,000件(前月は547,000件)
*4月11日新規失業保険申請件数…コンセンサス予想665,000件(前月は654,000件)
*4月5日失業保険継続受給者数…(前月は5,840,000人)
*4月フィラデルフィア連銀…コンセンサス予想-32.0(前月は-35.0)
4月17日(金)*4月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想58.5(前月は57.3)

今週の展望
株式相場は5週続伸し、ダウ指数は8000ドル、ナスダック指数は1600を上抜いてきた。3週間前は、米財務省が、金融危機対策で銀行などから不良資産を買い取る「官民合同ファンド」の具体的内容を遂に発表したことが材料となって相場は上昇。先々週は、米国財務会計基準審議会(FASB)による、保有資産などを現在価値で算定する時価会計の適用基準緩和決定が材料となった。また、経済指標も予想ほど悪化しないものが目立ってきた。先週は、決算発表を控えウェルス・ファーゴ等銀行株に強気業績見通しが支援材料となった。
制度的支援、景気指標悪化に歯止め、業績期待と言う材料が相場を支えている。今週はインテルはじめ主力企業が決算を発表する。押並べて悲観が先行しており、かなり業績予想は下げられている。その意味では、予想を上回るところが結構出るのではないか。
先週も、検査中の銀行に関して言えば、考えられているより状態は良好である。米政府によるストレス テストの対象となっている米金融機関19社がすべて、審査に合格する見通しだと9日付NYタイムズ紙が報じた。
更に、ロバート・W.ベアードの首席投資ストラテジスト、ブルース・ビトルズ氏は、1−3月期決算への期待はあまりにも低いため、嬉しい驚きとなる可能性は十分にある。当社は夏後半に向けて株が上昇するとみているとコメントしている。
先週も、ベッドバス・アンド・ビヨンド、リサーチ・イン・モーション等が素晴らしい決算っだったし、EPSが予想を下回ったアルコアでさえも、翌日の市場では買われている。株価が著しく調整した後でもあり、今後は株価押し上げ要因の方が多くなるとの見通しだ。
従って、決算も懸念を払底した内容になる可能性が十分ある。上昇モメンタムは続いており、相変わらずしっかりの展開になるのではないか。
予想レンジ
ダウ指数…7,800ドル〜8,400ドル
ナスダック指数…1,600〜1,750
米国債券先週の動き
債券は小幅安。30年債の利回りは対前週比0.05%上昇。10年債は同0.01%上昇。また、5年債は対前週比変わらず。2年債は同0.01%低下。
(債券相場の弱材料)
★先週は7日に10年物インフレ連動債(TIPS、60億ドル)、8日に3年債(350億ドル)、9日に10年債(180億ドル)と相次いで入札が行われたが、需給悪化への不安が高まった。
★米国株大幅高から、安全資産たる国債への重要が低下した。

2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックした為、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドに戻った。その後、度重なる利下げを経た後、2009年4月9日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、利回り曲線は、全体としてはやや上方パラレル・シフト。

為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場では、ドルが対ユーロで2.42%上昇、対円で0.12%上昇した。
(ドル高の背景)
★2008年10月−12月期(第4四半期)のユーロ圏GDPがエコノミスト予想以上に悪化したことが手掛かりとなった。ドルは主要通貨に対して上昇。
★ドイツと英国のリセッション深刻化を示す統計発表を受け、両通貨が売られた。

原油相場先週の動き
原油価格は小幅安。前週末比で0.51% 下落した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引されている原油先物5月限は前週末の1バレル=52.51ドルに対し、4月9日は52.24ドルで越週した。
(原油価格下落の背景)
8日発表の米エネルギー省の在庫統計では原油在庫の増加が示されるとの観測から週の前半は下落したが、株価が上昇し、米景気回復期待からエネルギー需要が伸びるとの観測から週の後半買いが入った。しかし、週間では戻しきれず。
=以上=









