2008年04月21日

今週の米国株相場展望 4/20

今週の米国株相場展望

4月20日

森  崇

先週の動き
ダウ指数は先週、週間ベースで4.25%上昇。S&P500指数は同4.31%上がった。また、ナスダック指数は同4.92%上昇。小型株指数のラッセル2000指数は同4.78% 上げた。

(全般反発した背景)
1.強めのマクロ指標が出た。
@ニューヨーク連銀が発表した4月の同地区の製造業景況指数は0.6(前月はマイナス22.2)と、予想(マイナス17)を上回った。

A外国の政府と投資家の間の中長期金融資産取引額は2月に外国人からみて725億ドルの買い越し(前月は同571億ドル)となり、予想(600億ドル)を上回った。

2.主要企業に好決算が続出した。
@銀行の決算が予想を上回った。
★USバンコープ(USB)、地銀リージョンズ・ファイナンシャル、M&T
 バンク等が、クレジットカード大手ビザの新規株式公開(IPO)に伴い、持ち株を売却したことで利益を押し上げた。これが好感された。
★ウェルズ・ファーゴ(WFC)やJPモルガン・チェース(JPM)の決算が予想を上回る内容だった。とりわけ、ジェイミー・ダイモンCEOが信用市場危機は終わりが近いとの認識を示した。金融機関がレバレッジを減らすなかで信用市場の危機はすでに後半に入り、場合によっては80%終了した可能性もあると発言した。
★シティグループが18日寄り前業績発表。2008年1−3月(第1四半
期)の総収入は前年同期比48%減の132億ドル、赤字は1株当たりで
1.02ドル。予想は、売上高が111億ドル、一株当たり損益は0.93ドルの赤字だった。ただし、一株当たり損益は1.60ドル程度の赤字を見込む向きもあったことから、見直し買いが入った。同行はまた、9000人の人員削減計画も明らかにした。

Aモルガン・スタンレー(MS)に好材料。
ドイツ銀行が、モルガン・スタンレーに関してポジティブ・コメント。今年3−5月(第2四半期)には10億ドル以上の追加評価損が予想されるが、このような評価損があと数四半期で終わることもあり得ると言う。

Bインテル(INTC)
半導体最大手、インテルは15日引け後、好調な1−3月期決算を発表するとともに、4−6月(第2四半期)の売上高が90億−96億ドルになるとの予想を示した。92億5000万ドルが見込まれていた。

Cコカ・コーラ(KO)
清涼飲料最大手のコカ・コーラが16日寄り前業績発表。1−3月(第1四半期)の決算は前年同期比19%の増益だった。中南米およびロシアでの売り上げ増が寄与した。

DCSX(CSX)
米鉄道輸送3位のCSXが発表した1−3月(第1四半期)利益は1株当たり85セントに増加した。予想は74セントだった。

EIBM(IBM)
   IBMが16日引け後に好決算を発表。とりわけテクノロジー・サービス部門が前年同期比17%増収となった他、ソフトウェア部門も同14%増収となり、好決算を牽引した。一方、ハードウェア部門は同6.7%減収となった。IBMはこれまで、PCやプリンティング・ユニット部門をリストラしてきた。

Fキャタピラー(CAT)
建設機械最大手のキャタピラーが18日寄り前業績発表。1−3月期(第1四半期)の売上高は前年同期比18%増の118億ドル、純益は9億2200万ドル(1株当たり1.45ドル)。予想は、売上高が106億ドル、1株当たり利益が1.33ドルだった。中国やインド、東欧での売り上げの増加が寄与した。

Gハネウェル(HON)
航空機制御装置メーカー最大手のハネウェル・インターナショナルが18日寄り前に業績発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比11%増の89億ドル、純利益は6億4300万ドル(1株当たり85セント)。予想は、売上高が87億3000万ドル、1株当たり利益が82セントだった。航空機や安全装置の売り上げが好調だった。同社は2008年12月通期の見通しを上方修正した。

Hゼロックス(XRX)
プリンター大手のゼロックスが18日寄り前業績発表。1−3月(第1四半期)の売上高は前年同期比13%増の43億4000万ドル、訴訟関連コストを除く1株当たり利益は27セントの黒字。予想は、売上高が42億2000万ドル、訴訟関連コストを除く1株当たり利益は27セントの黒字だった。

Iグーグル(GOOG)
グーグルが17日引け後発表した2008年1−3月(第1四半期)の1部項目を除いた1株利益は4.84ドルと、予想(4.52ドル)を上回った。また、売上高も予想を大幅に上回った。海外での事業拡大が奏功し、米国内の広告費の伸び減速の影響を補った。


今週の米国株相場展望
今週の主要イベントは以下の通り。

4月22日(火)

*3月中古住宅販売件数…コンセンサス予想495万件(前月は503万件)
                               
   *3月中古住宅販売件数(前月比)… コンセンサス予想616302.2(前月は                                
                                 2.9%)
   *2月住宅価格指数(前月比) …(前月は-1.1%)

   *4月リッチモンド連銀製造業指数…コンセンサス予想(前月は6)

*4月20日ABC消費者信頼指数…(前月は-39)
        
4月23日(水)
   
   *4月18日MBA住宅ローン申請指数…(前月は2.5%)

4月24日(木)

   *4月19日新規失業者保険申請件数…(前月は372,000人)

   *3月耐久財受注…コンセンサス予想0.1%(前月は-1.7%)

   *3月耐久財(除輸送用機器)…コンセンサス予想0.4%(前月は  
 -2.6%)                             
*4月12日失業保険継続受給者数…(前月は2,984,000人)
                              
*3月求人広告指数…コンセンサス予想20(前月は21)

   *3月新築住宅販売件数…コンセンサス予想585,000(前月は590,000)   

                           

4月25日(金)
  
   *4月ミシガン大学消費者信頼感指数…コンセンサス予想 64.0(前月は
63.2)


(主要企業決算発表予定)

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今週の展望
GEの不振決算を受け、決算内容に懐疑的見方が広がったものの、先週は火曜日から反発を開始した。インテル、IBM、グーグルと言ったハイテク主力どころが
素晴らしい業績を発表した外、心配された金融セクターも、それほど内容は悪くなかった。むしろ、CEOから強気コメントが出るなど、上昇相場へのインパクトとなった。中でも、J.P.モルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOが、信用市場危機は終わりが近いとの認識を示した。金融機関がレバレッジを減らすなかで信用市場の危機はすでに後半に入り、場合によっては80%終了した可能性もあると発言している。証券大手メリル・リンチや、米銀最大手シティは決算は不振ながらも、むしろ株価は上昇しており、悪材料をかなり織り込んだ印象が強い。
これらを受け、ダウ指数は以下の通り、2月1日の引け値ベースの戻り高値12,743ドルを上抜くとともに、遂に100日移動平均線をも超え始めた。また、一目均衡表でも、日々の足が雲の上に出た。

(ダウ指数6ヶ月間チャート)
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債券相場を見ても金融政策に敏感に反応する2年国債の利回りが急上昇し、去年の10月から続いているブル・トレンドが崩れつつある。
資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンクCEOや、債券ファンド最
大手、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の投資責
任者ビル・グロス氏は、米国債が最も過大評価された資産であると指摘している。
FFレート先物によれば、4月30日FOMC時の0.50%利下げ確率は18日時点で、遂に0%となった。昨日は20%確率だった。これは、地区連銀総裁の発言にも呼応している。

フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、ダラス連銀のフィッシャー総裁、リッチモンド連銀のラッカー総裁、サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は、第1四半期の利下げペースを維持するのは望ましくない旨示唆している。

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為替でも、米ドルが反発基調となっている。主要資産間で見ても、ドル高、株高の流れが顕在化しつつある。

企業業績を見ると、米国経済悪化を受け、内需型企業はやはり不振である。しかし、IBM、グーグル、キャタピラ等海外売上比率の高い企業はそれなりに堅調な業績を示していることから、好業績銘柄の選別物色の流れが続きそうだ。

ハイテクではグーグル、IBM、インテルが相場をリードしそう。また、今週決算発表を行うアップルも好業績が期待でき、上値を追いそうだ。ライバル企業であるリサーチ・イン・モーションの好決算は、アップルにとって支援材料である。iPhoneへの期待も高まる。ここもと不振だったフラッシュ・メモリーのサンディスクも、好決算を発表した。既にDRAM大手のマイクロン・テクノロジーが、決算発表時に、DRAMとフラッシュの下半期好転見通しを提示しているが、深押しした後だけに、買い安心感がある。また、ポタッシュ、モンサント、アーチャー・ダニエルズ等の穀物関連や、トランス・オーシャン、ハリ・バートン、エンカナ等石油関連株も新値更新組が多く、更に上値追いとなろう。太陽光発電関連のサンパワーは、好決算ながら、実効税率が上昇したことを嫌気された売りに押された。
ただし、これは本業とは無関係の部分であり、同業のファースト・ソラーとともに潜在性が高い。

予想レンジ
ダウ指数…12,750ドル〜13,200ドル
ナスダック指数…2,350〜2,500


米国株先週の動き
ダウ指数は先週、週間ベースで4.25%上昇。S&P500指数は同4.31%上がった。また、ナスダック指数は同4.92%上昇。小型株指数のラッセル2000指数は同4.78% 上げた。

(S&P500指数先週1週間の動き)
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詳しい業種別値上がり状況は以下の通り。
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米国債券先週の動き
債券は下落。30年債の利回りは対前週比0.20%上昇。10年債は0.24%上昇。また2年債は対前週比0.38%上昇。5年債は同0.32%利回りが上がった。利下げ観測低下を反映して、短期債ほど利回りが上昇した。

(債券軟調の背景)
@3月の米小売売上高が増加したため、売りが優勢となった。
A3月の生産者物価指数(PPI)が市場予想以上の伸びを示した。
Bニューヨーク連銀が発表した製造業景況指数が予想外に上昇したことから、イ
 ンフレが加速するとの懸念が強まった。
C3月の鉱工業生産指数が予想外に前月比で上昇した。
D資産運用会社ブラックロックのローレンス・フィンクCEOは16日、米国債を売るべきだとの見解を示した。米国債相場の上昇により、割高感があることが理由。「次のバブルは米国債だ」と指摘した。
E債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(P
IMCO)の投資責任者ビル・グロス氏が、商品価格の上昇が構造化し、イン
フレ加速につながる恐れがある。我々は米国債が世界で最も過大評価された資産だとみなしていると発言した。
F3月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.1%上昇(2月は0.3%低下)
と、予想に一致した。上昇は6カ月ぶり。  
G来月以降、FOMCが利下げを停止するとの見方が強まった。

Hシティグループの発表した決算で赤字が予想ほど悪化していなかったことを受け、株が上昇した。
Iフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が18日、以下の通り発言。
★米政策金利は既に景気拡大を下支えるのに十分低い水準にあり、米国は景気回復の手段として金利政策だけに頼るべきではない。
★実質金利は現在マイナスだ。実質金利がこれほど低い水準にあったのは2003−04年だが、当時はデフレ懸念が背景にあった。最近の懸念要因は価格低下ではなく、インフレ高進だ。

(1年間の10年国債利回り推移)
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2006年6月8日、10年債利回りが2年債利回りを下回る長短金利の逆転が発生したが、2007年3月21日、FOMCが政策金利を据え置く一方で、利上げへの傾斜姿勢を取りやめたことから利下げ観測が再度カムバックした為、順イールドに戻った。その後、5月3日再度逆イールドとなったが、6月8日に再度順イールドにもどり2008年3月28日現在も順イールド状態は変わらず。ただし、主要企業の好決算、マクロ指標に意外としっかりしたものが多かったこと等を反映し、株式相場が急伸するに及び、利下げ継続観測が薄まり、利回り曲線は全体として若干上方パラレル・シフトした。

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為替相場先週の動き
ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで0.04%下落、対円では2.67%上昇した。

(ドルが対円上昇した背景)
@3月の米生産者物価指数が予想を上回る上昇となった。
A4月のニューヨーク連銀地区の製造業景況指数が予想外の上昇を示した。
Bユーロ圏財務相会合の議長を務めるルクセンブルクのユンケル首相兼財務相が、金融市場は為替相場に対するG7の姿勢を誤解していると発言した。
C米銀最大手のシティグループが18日発表した2008年1−3月(第1四半期)決算が悲観的なアナリストの予想ほど悪い内容ではなかったことから、金融機関が信用市場の損失を乗り切るとの観測が広がった。


(直近1年間のドルの対ユーロ<茶線>、対円<黒線>上昇率推移)
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原油相場先週の動き
ニューヨーク原油先物相場は続伸。週間で5.94%上昇。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)で取引される原油先物5月限は前週末1バレル=110.14ドルだったが、4月18日は116.69ドルで越週した。

(原油価格続伸の背景)
@メキシコで14日、4つ目の輸出ターミナルが閉鎖された。
Aイタリアのエネルギー会社ENIはナイジェリアでの生産を停止した。
Bエネルギー省の週間統計で米国内の原油在庫が予想外に減少したほか、製油所の稼働率低下が明らかになった。11日までの週の原油在庫は前の週から236万バレル減少し3億1370万バレル。
Cヘッジフンド、BPキャピタルのブーン・ピケンズ会長は17日、原油相場が125ドルに向かっており、最終的には150ドルに到達するとコメントした。
D主要企業が発表した決算が市場予想を上回ったことから、景気の強さを示す兆候と受け止められた。実体経済のシナリオが、企業業績を背景に好転。


=以上=
posted by mori at 09:59 | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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